1.分裂病患者のNAALADase遺伝子の多型とその臨床的関連 本研究に協力することに同意の得られた健常者若干名の末梢血からRNAを抽出し、ヒトのNAALADase遺伝子のcDNA(2653bp)を300-500bpに分けて、reverse transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)による増幅を行っている。現在のところ、遺伝子多型の検出には至っておらず、今後も引き続き検討の予定である。 2.分裂病モデルとしてのNAALADase発現抑制ラットの検討 NAALADaseのmRNAの開始コドンを含む部分に対する短鎖(20 base)のアンチセンスDNA(S-Oligo)を、8週齢のWistar雄性ラットの両側の嗅内皮質に、脳定位装置を用いて注入し、22時間後の自発移所運動量およびmetamphetamine(MAP)1mg/kg投与後の移所運動量を測定した。対照群には同様に溶媒を投与した。アンチセンスをそれぞれ1nmoleあるいは3nmole投与したラットの自発移所運動量およびMAP誘発移所運動量には、溶媒投与ラットと比較して有意な差はなかった。今後は用量を展開し、また亜慢性投与についても検討し、組織化学的検討も併せて行う予定である。
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