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サルの視床背側内側核(MD)及び前腹側核大細胞部(VAmc)の空間的認知機能を解明するため、眼球運動を用いた遅延反応課題である記憶誘導性サッケード課題(ODR)で2頭のサルを訓練した。このうち訓練を終了した一頭に、あらかじめMRI撮影でMD・VAmc核の位置を確認後、それら神経核の直上に脳定位的に記録用シリンダーを頭蓋骨上へ設置するための手術を行った。サルが手術から充分回復後、マイクロマニピュレーターを駆動して記録電極を視床MD・VAmc核が存在すると考えられる部位に進め、サルがODR課題遂行中の単一細胞外記録を行っている。解剖学的研究より前頭前野背外側部へ密な線維投射が存在することが明らかになっているMD核外側部・VAmc核とみられる部位で記録を試みている。現在までに得られたデータでは、MD核外側部と考えられる部位でODR課題の反応期(サッケード眼球運動)に関連して自発発火頻度を変化させるニューロンが見つかっている。また同じ部位で視覚刺激呈示期に反応するニューロンも少数見出された。今後、MD核外側部・VAmc核以外の視床核でも記録を試み、そこで記録されるニューロンのODR課題に対する発火パターンがMD核外側部で見出されているニューロンの発火パターンと異なるかどうかを調べる必要がある。ただし最終的な記録部位の確認は、実験終了後の組織学的検索を待たなければならない。
2頭目のサルについても、MR撮影をすでに終了しており、近日中に頭蓋骨上への記録シリンダーの埋め込み手術を行う予定である。
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