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2000 年度 実績報告書

サルの視床背側内側核・前腹側核ニューロンの空間的認知機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11670939
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

谷渕 育夫  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40251996)

キーワード視床背側内側核 / 前頭前野 / 単一細胞外記録 / ODR課題 / サル
研究概要

サルの視床背側内側核(MD)及び前腹側核大細胞部(VAmc)の空間認知機能を解明するため、記憶誘導性サッケード課題(ODR課題)で2頭のサルを訓練し、サルがその課題を遂行中にMD・VAmc核を含むと考えられる視床部位で細胞外記録により単一ニューロン活動を調べた。463個の視床ニューロンが記録され、組織学的検索の結果、記録ニューロンはMD核及びその周辺核(VLc、LP、VPLcなど)で観察されたが、VAmcでは認められなかった。記録されたMDニューロンのうちODR課題に関連して発射活動を変化させたニューロンは18%で、MD核外側部に局在していた。このMD核外側部へは黒質網様部や上丘から入力を受け、前頭前野背外側部(46、8a、9)に投射していることが解剖学研究から明らかにされている。ODR課題の視覚刺激呈示期、遅延期、反応期に関連して発射活動を変化させたMDニューロンの割合はそれぞれ32%、26%、76%であり、また大部分のサッケード関連ニューロンは方向選択性を有していた。サッケード関連ニューロンのうち反応期にだけ発射活動を変化する純粋なサッケード関連ニューロンは69%であり、サッケード関連ニューロンのうち2/3近くのニューロンはサッケード開始前に発射活動を変化させるプレサッケードニューロンであった。ODR課題に対するMD核の以上の所見は、すでに報告されている前頭前野背外側部のニューロン特性に非常に類似していた。この研究結果は、"MD核外側部の空間認知機能は、解剖学的結合を有する前頭前野背外側部のそれを反映しており、反回性の興奮性経路に関して重要な役割を担っている可能性を示唆している"、ということを初めて示す知見である。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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