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1999 年度 実績報告書

精神分裂病における興奮性アミノ酸受容体遺伝子変異の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11670944
研究機関神戸大学

研究代表者

白川 治  神戸大学, 医学部, 助教授 (40243307)

研究分担者 橋本 健志  神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (60294229)
前田 潔  神戸大学, 医学部, 教授 (80116251)
キーワード精神分裂病 / 興奮性アミノ酸 / NMDA受容体 / 遺伝子多型 / 遺伝子変異
研究概要

NMDA受容体アンタゴニストが幻覚、妄想といった分裂病の陽性症状だけではなく、自閉、感情鈍麻といった、分裂病の予後悪化の主たる要因である陰性症状類似の症状を発現することから、NMDA受容体と分裂病の陰性症状との関連が示唆されている。また、NMDA受容体活性はシナプス形成や神経可塑性の大きな影響を与えることが知られており、分裂病の神経発達障害仮説の見地からも注目されているタンパクである。NMDA受容体はR1とR2から構成されるチャンネルであり、R2には4つのサブユニット(A-D)が存在する。R1は脳内に広汎に発現しているが、R2はサブユニットによって、脳内分布が異なっている。中でも、R2Bサブユニットは、分裂病の陰性症状との関連が示唆されている前頭葉皮質および海馬に多く発現している。本研究では、まずNMDA受容体2Bサブユニット(以下、NR2B)を陰性症状が主体である分裂病の候補遺伝子であると考え、PCR/SSCP法によって、NR2B遺伝子における多型の同定を試みた。さらに、同定された多型の頻度を陰性症状が主体の慢性分裂病患者群と健常対照群間で比較することにより、NR2B遺伝子が分裂病における陰性症状の病因遺伝子である可能性について検討した。その結果、細胞内に存在するC末端のアミノ酸をコードする塩基にサイレント変異を見出した。さらに、見出された多型について分裂病における関連研究を行ったが、遺伝子型、遺伝子頻度ともに健常対照群と有意な差を認めなかった。現在、NMDA受容体遺伝子の他の遺伝子多型、特に機能的な変化をきたすようなミスセンス変異の同定に着手している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nishiguchi、N: "A novel polymorphism in the region encoding the carboxy1-terminal intracellular domain of the human NMDA receptor 2B subunit and association analysis in schizophrenia"Am.J.Psychiatry. (in press). (2000)

  • [文献書誌] 白川 治: "細胞内情報伝達系と精神分裂病"脳の科学. 21. 369-376 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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