研究課題/領域番号 |
11670944
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
白川 治 神戸大学, 医学部, 助教授 (40243307)
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研究分担者 |
小野 久江 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (40324925)
橋本 健志 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (60294229)
前田 潔 神戸大学, 医学部, 教授 (80116251)
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キーワード | 精神分裂病 / 興奮性アミノ酸 / NMDA受容体 / 遺伝子多型 / 遺伝子変異 |
研究概要 |
NMDA受容体活性はシナプス形成や神経可塑性に大きな影響を与えることが知られており、分裂病の神経発達障害仮説の見地からも注目されているタンパクである。NMDA受容体はR1とR2から構成されるチャンネルであり、R2には4つのサブユニット(A-D)が存在する。サブユニットによって、脳内分布が異なっているが、R2Bサブユニットは、分裂病の陰性症状との関連が示唆されている前頭葉皮質および海馬に多く発現している。本研究では、NMDA受容体2Bサブユニット(以下、NR2B)を陰性症状が主体である分裂病の候補遺伝子であると考え、PCR/SSCP法によって、NR2B遺伝子における多型の同定を試みた。その結果、細胞内に存在するC末端のアミノ酸をコードする塩基にサイレント変異を見出し、その多型について分裂病における相関研究を行ったが、遺伝子型、遺伝子頻度ともに健常対照群と有意な差を認めなかったため、NMDA受容体遺伝子多型でエクソンに存在し機能的な変化をきたす可能性があるミスセンス変異の同定を試みたが見出すことはできなかった。以上の研究と平行する形で、セロトニン神経伝達に関連する遺伝子多型にも着目し、分裂病、自殺との相関研究を行ったが、有意な関連を見出すことはできなかった。さらに特異的抗体を用いた免疫定量により分裂病死後脳における神経栄養因子の生化学的変化を検討し、BDNFの前部帯上回、海馬での上昇を見出した。神経発達異常の分裂病の病態への関与が示唆されたが、本研究では遺伝子レベルでの異常と分裂病の病因との関連を見出すことはできなかった。
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