研究概要 |
抗精神病薬誘発性難治性アカシジア20例、およびアカシジアの認められない患者3例の合計23例に終夜睡眠ポリグラフィー検査を実施した。また、同時にアカシジアの評価をPrince Henry Hospital Akathisia Scaleで、また精神症状をBreif Psychiatric Rating Scale(BPRS)で評価した。このうち難治性アカシジアで薬物治療によりアカシジアが消失した10例については治療後にも同様の検査を実施し、治療前後の結果と比較検討した。 睡眠変数はアカシジア治療前には睡眠潜時 38.6±32.4分、総睡眠時間344.9±187.8分、睡眠効率71.5±19.6%、睡眠段階(%TRT)別ではStage W 28.5%、Stage I 17.6%、Stage II 38.9%、Stage III 6.2%、Stage IV 0.4%,Stage REM9.2%、PLM index18.6±24.9/hであったものが、アカシジア治療後にはそれぞれ睡眠潜時39.2±19.6分、総睡眠時間453.8±70.4分、睡眠効率85.7±6.3%、睡眠段階はStageW14.3%、Stage I 13.7%、Stage II 48.2%,Stage III 11.1%,Stage IV 1.5%,Stage REM11.2%、PLM index 146±7.2/hと睡眠状態は改善していた。アカシジアの症状評価は、主観症状が4.6±2.5/9点、客観症状が3.9±3.6/21点であったが、治療後には各々0点であった。BPRSはアカシジア治療前は32.1点、治療後には30.7点であり治療前後で有意な変化はなかった。 以上から、アカシジア患者に認められる睡眠障害は、高率に存在する睡眠時ミオクローヌスが主な原因であることが明らかになった。次年度も引き続き同様の方法で検討を深める予定である。
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