研究概要 |
本年度は、ラット脳のいかなる部位に主として作用するかを早期発現遺伝に基づくc-Fosを指標として電気ショック療法(ECS)とその発現量を定量的に解析し、両者を比較検討した。 何故ならrTMSは、非侵襲的治療法として侵襲的治療法であるECSに代わり得る可能性があるからである。 実験にはラットを用いた。rTMS群、Sham-rTMS群、ECS群およびコントロール群に分けてそれぞれの処置を行い、c-FosをABC法により免疫組織染色を行った。 その結果、rTMS群(6回)では、Sham-rTMS群にくらべて前頭皮質、海馬歯状回および扁桃核とで有意に多くのc-Fosが出現した。 ECS群では、rTMS群より有意にc-Fosが著明に出現した。しかし、線条体においてのみrTMS群の方がECS群より有意にc-Fosの出現が多いという興味ある結果がえられた。 この結果は、NeuroReport, 12:1307-1310, 2001に掲載された。
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