研究課題/領域番号 |
11670960
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中井 俊樹 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20270712)
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研究分担者 |
小阪 憲司 横浜市立大学, 医学部, 教授 (60023800)
三浦 惠 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (60157427)
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キーワード | α-シヌクレイン / パーキンソン病 / Lewy小体 |
研究概要 |
α-シヌクレインは、その変異が家族性のパーキンソン病(PD)を引き起こすこと、さらに、こが、PD、びまん性Lewy小体病をはじめとする一連の神経細胞変性を伴うLewy小体病(LBD)に特徴的に観察される神経細胞内の沈着物であるLewy小体(LB)の構成成分であることが知られており、その解析を進めることによりLBDの発症機構および治療法の解明の手がかりがえれれるのではないかとの期待から注目されている。α-シヌクレインと相互作用する因子の解明はこの蛋白質の生理機能およびLBD発症機構の解明に必須であると思われる。本研究においては、まず、これらの因子を同定することを目標とし、その検索に重点をおいている。本年度は、その準備段階として、まず、α-シヌクレインおよびその類似蛋白質であるβ-、および、γ-シヌクレインのそれぞれのC端領域に特異的に反応するポリクローナル抗体の作成を行った。また、シヌクレイン遺伝子を酵母Two-hybridのbaitベクターに組み込み、今回作成した抗体を用いて酵母内でのGAL4との融合蛋白質の発現を確認した。現在、これらを用いて、相互作用する因子の検索を行っている。また、α-シヌクレインはLewy小体においては繊維状の凝集体を形成しており、その形成過程においては、何らかの原因によりこの蛋白質同士の分子間相互作用が強まることがきっかけとなっていると考えられ、LBD発症過程においてこの相互作用を促進する因子が関与している可能性が高く、その同定はLBDの治療・予防薬の開発に直接結びつくものである。そのような因子の同定に向けた前段階として、野生型およびPD発症変異型のα-シヌクレイン分子同士の相互作用を酵母Two-hybrid法を用いて解析したところ、有意な相互作用は観察されなかった。現在この系を用いて相互作用を増強する因子の同定を試みている。
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