研究概要 |
対象と方法:対象はDSM-IVで診断され、文書で研究参加への同意を得た、20例の神経性過食症(BN、全例女性)、9例の社会不安障害(SAD、男性6例、女性3例)と20名の健常対照者(C、うち6名は男性)である。Beck's Depression Inventory(BDI)、State-trait Anxiety Inventory(SATI)、Coping Inventory for Stressful Situations(CISS)などを施行し、PHA刺激によるLymphoproliferative response(LR)、リンパ球サブセットなどの免疫機能を測定した。 結果:BNと女性対照群(CW)との間にBN群は23.3±4.0歳(平均±標準偏差)、CW群は24.9±3.5歳、Body Mass IndexはBN群が19.7±2.5、CW群が19.8±0.8といずれも差がなかった。リンパ球サブセツトは、CD4/CD8比(1.6±0.5vs.1.5±0.7)と差が無かった。LRではPHA刺激無し(468±357vs.247±215,t=2.2,p=.04)、PHA刺激あり/なしの比Stimulation Index(SI) (225±168vs.435±252,t=2.8.p=.008)で2群間に有意な差を認めた。また、SIはBDI(r=-.56,P=.001)、STAI trait(r=-.58,p<.001)、CISS Emotion(r=.59,P=.001)と有意な相関を認めた。治療前後の2回測定した結果(N=9)、SIは治療前後で有意な上昇(改著)を認めた(175±143vs.272±240、p=.043、Wilcoxon)。 一方、SADはC群とリンパ球サブセツトなどにおいて差がなかった。しかし、LRではPHA刺激あり(48149±18312vs.67186±27365)、PHA刺激無し(622±238vs.359±262)、SI(87±35vs.328±269,t=3.9,p=.001)と2群間に有意な差を認めた。 考察:この様に免疫磯能は状態像を反映するものと考えたれた。
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