研究課題/領域番号 |
11670971
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
森田 喜一郎 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 助教授 (20140642)
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研究分担者 |
小路 純史 久留米大学, 医学部, 助手 (50343695)
前田 久雄 久留米大学, 医学部, 教授 (60089919)
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キーワード | 統合失調症 / 回復・寛解過程 / 視覚誘発事象関連電位 / 探索眼球運動 / 情動刺激 / 生物学的指標 / バイオフィードバック |
研究概要 |
研究代表者(森田)および研究分担者(小路)は、未治療の精神分裂病者(以下、統合失調症者)の急性期から回復過程さらには、社会復帰過程としてのハビリテーション(デイケア等)過程の生物学的な治療判断指標として、情動に関連した視覚誘発事象関連電や探索眼球運動の研究・解析を行い学会に発表、論文として報告してきた。この研究の重要な点は、患者様の急性期からの寛解指標としてこれらの生物学的指標は有意に改善方向(健常者様の反応)へと変化したことである。特に、否定的な情動(悲しみ)が病状の回復とともに改善し病状依存的であると報告した。また、研究代表者は、文部省科学研究助成金で申請したマルチテレメータシステムの一部を現有の各システムと構築し、被験者に負荷の少ない自然な情動を惹起する、赤ん坊の「笑い」写真や「泣き」写真を標的刺激として視覚誘発事象関連電位を計測し、「喜び」「悲しみ」等の情動の影響を検討するとともにイメージ想起(悲しい事、楽しい事等)中の探索眼球運動、脈波、心電図等を同時に測定した。以上の生物学的検査結果に基づき患者様や家族様にフィードバックとして病状や薬物の適性度等を説明し治療方針の補助とした。その一成果の一部は、学会に発表、論文として報告してきた。しかしながら、施行したシステムでは、未だ統合失調症者の生物学的なフィードバックには不十分である。現在、赤ん坊の「泣き顔」や「笑い顔」の視覚刺激にとどまらず、「泣き声」や「笑い声」といった情動誘発聴覚刺激さらには、快・不快等の香刺激(嗅覚刺激)を加えた計測システムを構築中である。今後、統合失調症者の社会復帰のための有意義な生物学的なフィードバックを行っていくつもりである。
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