造血幹細胞移植後のGVHD制御における単球の重要性とその治療応用に関する研究

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11670976
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 田中 淳司 北海道大学, 医学部, 助教授 (50250452)
• キーワード: 造血幹細胞移植 / GVHD / GVL / KIR

研究概要

同種造血幹細胞移植における単球をはじめとするAccessory Cellsの機能を解析して、移植片対宿主病(GVHD)や移植片対白血病(GVL)という観点からその免疫応答に対する影響について検討した。
ドナーにG-CSFを投与した後のapheresis product (G-PBMC)はG-CSFを投与する前の抹消血単核球(preG-PBMC)に比較してリンパ球混合培養試験において低反応性を示し、この低反応性はG-PBMCからCD14陽性単球を分離除去することによって回復した。従って、G-PBMC中に大量に含まれている単球には免疫応答を抑制する作用があることが推測された。
さらに、リンパ球混合培養試験によってG-PBMC由来のT細胞に免疫応答を制御する分子の発現(Killer cell inhibitory receptor (KIR)など)が亢進する傾向が認められた。またこの現象には単球の関与が推測された。現在、KIRの発現と単球の関連等についての解析をすすめている。

研究成果

• [文献書誌] Tanaka, J., et al.: "Expression of HLA-C specitic natural killer cell receptor on peripheral blood mononuclear cells after allo BMT"Br.J.Haematol. (in press).
• [文献書誌] Tanaka, J., et al.: "Alterations in binding activity of T all transcription factor CD28 responsive element binding complex following allo BMT"Eu.J.Haematol. (in press).
• [文献書誌] Tanaka, J., et al.: "NK cells expressing KIR after allo BMT"Transplant Proc.. (in press).
• [文献書誌] Tanaka, J., et al.: "T cell cosignaling molecules in GLHD"Ann Hematol. (in press).
• [文献書誌] Tanaka, J., et al.: "Immunopheno type of PBMC and NK cell activity after allo BMT using G-CSF"Acta Haematologica. (in press).