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2000 年度 実績報告書

顆粒球系分化誘導に伴う核分葉における細胞骨格蛋白ミオシンIIの役割

研究課題

研究課題/領域番号 11670992
研究機関三重大学

研究代表者

西川 政勝  三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (30144257)

キーワードNB-4細胞 / レチノイン酸 / 顆粒球系細胞分化 / ミオシンII / アクチン
研究概要

白血病細胞株NB-4を用いてレチノイン酸(ATRA)による顆粒球系細胞分化に伴うミオシンIIAおよびIIB、ミオシンホスファターゼ、Rho-キナーゼの変動をそれぞれの特異抗体を用いてWestern blot法により検討した。HL-60細胞同様ミオシンIIA及びIIBはともにNB-4細胞に発現しているが、IIAの発現がより豊富に存在していた。ミオシンIIAの発現は顆粒球系分化誘導に伴い増加したがミオシンIIBの発現は殆んど変化しなかった。ミオシンホスファターゼ酵素はPP1δ触媒サブユニット、ミオシン結合サブユニット(MBS)と20Kサブユニット(M20)より成っていることが平滑筋や血小板で報告されているが、NB-4細胞にはPP1δおよびMBSは存在していた。ATRAによる分化誘導によるMBSの発現変動は殆んど認められなかった。一方、Rho-キナーゼは漸増する傾向が認められた。ATRAによるNB-4細胞の分化誘導に伴うミオシンIIやアクチンの局在の変化を核の形態変化と関係づけながら共焦点レーザー顕微鏡を用いて検討した。線維芽細胞ではアクチンはストレスファイバーとして認められるが、HL-60細胞同様NB-4細胞ではストレスファイバーは観察されなかった。NB-4細胞ではアクチンやミオシンIIAは核近傍に局在する傾向が明らかとなった。また、ATRAで顆粒球系細胞に分化誘導すると、アクチンやミオシンIIAは細胞辺縁部と分葉核の橋部に高密度に分布することが確認された。さらに、顆粒球系分化誘導に伴うリン酸化(Ser19)ミオシン軽鎖MLC_<20>の分布も分葉核の橋部に局在化する傾向が認められた。以上のことから、ATRAによるNB-4細胞の顆粒球系分化誘導に伴う核分葉化過程にもアクチン系モーター蛋白ミオシンIIAが関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nishikawa M,Yamamoto M,Watanabe Y, et al.: "Clinical significance of low protein phosphatase-1 activity of blasts in acute myelogenous leukemia with white cell counts."Int.J.Oncol.. 18. 559-565 (2001)

  • [文献書誌] Watanabe Y.Ito M,Nishikawa M, et al: "Protein Kinase C-catalyzed phosphorylation of an inhibitory phosphoprotein of myosin phosphatase, is involved in human----"Blood. (印刷中). (2001)

  • [文献書誌] Omay SB.and Nishikawa M.: "Leukemic cell differentiation and the signal transduction system."Turk.J.Haematol.. 17. 17-21 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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