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1999 年度 実績報告書

WT1 assayを用いた白血病治療の個別化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11670995
研究機関大阪大学

研究代表者

小川 啓恭  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (80194447)

研究分担者 尾路 祐介  大阪大学, 医学部, 助手 (20294100)
相馬 俊裕  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40273619)
岡 芳弘  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20273691)
立川 豊吏  大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
キーワードWT1 / 微小残存白血病 / 骨髄移植 / キメラ遺伝子
研究概要

WT1遺伝子は,癌抑制遺伝子として認識されているが,我々のグループは,白血病で特異的に高発現していることをつきとめ,その発現をPCRで定量することにより,微小残存白血病(MRD)を定量できる系を開発した。
一方,白血病の1部の症例では,bcr-abl,AML1-ETOなどの白血病特異的なキメラ遺伝子発現が存在し,それを利用して,MRDの定量が可能である。キメラ遺伝子発現を有する症例で,WT1とキメラ遺伝子の発現を同一検体で測定することにより,MRDを多角的に評価するとともに,WT1 assayの位置付けをより明確にしたい。APLでATRAで分化誘導をかけた時,白血病細胞の減少は,キメラ遺伝子(PML-RARA)の減少に相関していたが,WT1は前2者よりも早く減少を示した。白血病の再発時に,白血病細胞当たりのWT1の発現量が増加するという研究データと組み合わせると,WT1発現は,他のキメラ遺伝子による定量と異なり,白血病細胞の質(増殖力)x量を反映しているもとの考えられる。
骨髄移植を受けた60名の患者で,定期的に骨髄検体でWT1発現をモニタリングした。骨髄移植後は,正常造血に基づくWT1発現が低下するため,移植後3-6ヶ月間はMRDの検体感度が10倍上がることが明らかになった。また,移植後の再発症例の検討では,患者固有のdoubling timeにより,白血病が増加すること,また,この際,他のキメラ遺伝子の上昇と並行して,WT1が上昇することを明らかにした。現在,移植後,再発した患者と寛解を維持している患者で,WT1の変動patternを詳細に比較することにより,再発の早期診断がどこまで可能かを解析中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tamaki H.et al.: "The Wilms' tumor gene WT1 is a good marker for diagnosis of disease progression of myelodyspastic syndromes"Leukemia. 13. 393-399 (1999)

  • [文献書誌] Oji Y.et al.: "Expression of the Wilms' tumor gene WT1 in solid tumors and its involvement in tumor cell growth"Jpn. J. Cancer Research. 90. 194-204 (1999)

  • [文献書誌] Oka Y.et al.: "Cancer immunotherapy trageting Wilms' tumor gene WT1 product"J. Immunol.. 164. 1873-1880 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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