• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

免疫抑制剤ミゾリビンに結合する腎蛋白質(特に分子シャペロン)に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11671024
研究機関秋田大学

研究代表者

涌井 秀樹  秋田大学, 医学部, 講師 (70240463)

研究分担者 小松田 敦  秋田大学, 医学部, 助手 (70272044)
伊藤 英晃  秋田大学, 医学部, 助教授 (80168369)
キーワード免疫抑制剤 / ミゾリビン / 分子シャペロン / HSP60 / 14-3-3蛋白 / RIP140
研究概要

これまでの研究結果から、ミゾリビンの免疫抑制作用機序の一つとして、新規分子シャペロン14-3-3蛋白を介するグルココルチコイドレセプター(GR)転写活性増強作用があるものと考えられた。そこで、14-3-3蛋白を介するGR転写活性調節機構についてさらに検討した。
1.核内レセプターの転写調節因子として報告されたRIP140が14-3-3蛋白結合蛋白群に共通のアミノ酸配列モチーフを有していることに着目し,RIP140の14-3-3蛋白結合性についてGST pull-down法で調べた。その結果、RIP140のN末端とC末端部位が14-3-3蛋白に結合することが明らかとなった。
2.14-3-3蛋白はGRと相互作用してその転写能を増強させるので、トランスフェクション法によりRIP140がこの系に及ぼす作用を検討した。その結果、RIP140は14-3-3蛋白を介するGR転写活性増強作用を抑制することが明らかとなった。
3.培養細胞に蛍光色素をラベルした蛋白質を発現させる実験系で、14-3-3蛋白がRIP140の細胞内局在を変化させ、その核内移行を抑制することが明らかとなった。
4.14-3-3蛋白はGR以外の核内レセプターやRIP140以外の転写調節因子にも結合することも示した。
以上より、14-3-3蛋白はGRの負の調節因子であるRIP140と相互作用してその核内移行を抑え、結果としてGRの転写活性可能を高めること、さらに、14-3-3蛋白はGR以外の核内レセプターやRIP140以外の転写調節因子にも結合することが判明した。ミゾリビンの細胞内標的である新規分子シャペロン14-3-3蛋白が多岐にわたる細胞内情報伝達系に関与することを示唆する研究成果である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hideaki Itoh: "Mammalian HSP60 is a major target for an immunosuppressant Mizoribine"The Journal of Biological Chemistry. 274・49. 35147-35151 (1999)

  • [文献書誌] Shu Takahashi: "Functional interaction of the immunosuppressant Mizoribine with the 14-3-3 protein"Biochemical and Biophysical Research Communications. 274・1. 87-92 (2000)

  • [文献書誌] Johannna Zilliacus: "Regulation of glucocorticoid receptor activity by 14-3-3dependent intracellular relocalization of the corepressor RIP140"Molecular Endocrinology. 15・4. 501-511 (2002)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi