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2000 年度 実績報告書

腎疾患に対する抗接着分子療法の臨床応用に関する基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 11671036
研究機関岡山大学

研究代表者

四方 賢一  岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (00243452)

研究分担者 肥田 和之  岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
和田 淳  岡山大学, 医学部, 助手 (30294408)
キーワード糸球体腎炎 / 接着分子 / セレクチン / オリゴ糖 / ヒアルロン酸
研究概要

糸球体腎炎の新しい治療法として抗接着分子療法を開発するために、セレクチン阻害薬の腎炎抑制効果を基礎的に検討した。セレクチン阻害薬として硫酸化ヒアルロン酸(SHA)を用いた。モデルとしてWKYラットに抗糸球体基底膜抗体を投与することによる半月体形成性糸球体腎炎モデルとThy.1抗体を投与することによるメサンギウム増殖性糸球体腎炎モデルを用いた。基礎的検討として、両モデルにおける抗P-セレクチン抗体、抗L-セレクチン抗体の腎炎抑制効果を検討したところ抗P-セレクチン抗体によって腎組織へのマクロファージ浸潤の抑制効果と蛋白尿減少効果が認められ、腎組織へのマクロファージの浸潤にP-セレクチンが関与していることが明らかになった。SHAのP-及びL-セレクチンのリガンドに対する結合に対する阻害効果をin vitroで検討したところ、SHAが両者を阻害することが明らかになった。そこで、両モデルラットにSHAを投与して腎炎抑制効果を検討した。その結果、両モデルにおいて、SHAの投与により蛋白尿の減少効果が認められ、さらに組織学的に、腎組織へのマクロファージの浸潤の減少と半月体形成の減少が認められた。さらに、硫酸化オリゴ糖のひとつである硫酸化コロミン酸(SCA)を半月体形成性糸球体腎炎ラットに投与したところ、SHAよりも高い腎炎抑制効果を示すことが明らかとなった。以上の結果から、糸球体腎炎の進展にマクロファージの浸潤が重要な役割を果たしていること、糸球体へのマクロファージの浸潤にP-セレクチンが関与していること、SHAおよびSCAがP-セレクチンの結合を阻害することによって腎組織へのマクロファージの浸潤を抑制して糸球体腎炎の進展を抑制する効果を示すことが明らかになった。硫酸化オリゴ糖はセレクチン阻害薬として糸球体腎炎の治療に応用できる可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tsuchiyama Y et al: "Efficacy of galectins in the amelioration of nephrotoxic serum nephritis Wistar Kyoto rats."Kidney International. 58. 1941-1952 (2000)

  • [文献書誌] 四方賢一,槇行博史: "腎臓病と接着分子"現代医療. 32. 735-743 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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