研究概要 |
ナトリウム-クロライド共輸送体ファミリーの新しいものをクローニングして機能を明らかにして、その生理的意義を解明するのが今回の研究の目的であった。今回クローニングしたのは次のような遺伝子である。カリウム-クロライド共輸送体としてKCC3をクローニングした。ナトリウム-クロライド-カリウム共輸送体ファミリーとしてCCC6とCCC7をクローニングした。ナトリウム-リン共輸送体ファミリーとしてNaP1のファミリーであるNaP3をクローニングした。クロライド-重炭酸-ナトリウム輸送体としてAE4をクローニングした。クロライド-硫酸輸送体としてDRA1,DRA4,DRA7をクローニングした。一方、輸送体とチャネルの違いは近年ほとんどなくなっており、広い意味での輸送体であり、カチオンチャネルとアニオンチャネルもクローニングをおこなった。電位依存性ナトリウムチャネルとしてTPC1をクローニングした。またカルシウムチャネルと考えられるCD20のファミリーを8つクローニングした。またカルシウム輸送体でチャネル構造をしたCAT1,ECAC1,カプサイシン受容体のファミリーで浸透圧に反応するSAC1,SAC2をクローニングした。またこれらのアフリカツメガエルホモログであるXCAT,XVRLもクローニングした。またこれらはTRPファミリーに属しているがそのメンバーの新規遺伝子であるTRP10をクローニングした。一方クロライドチャネルとして水チャネルの構造に近いAQPX1,AQPX2をクローニングした。これらのタンパクの組織分布をノーザンブロットと組織染色でタンパクの局在をあきらかにするとともにアフリカツメガエル卵や培養細胞に発現させて機能解析をおこなった。機能がかならずしもすべてあきらかにできたわけではなく、発現調節とともに今後解析を続ける必要がある。
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