研究課題/領域番号 |
11671045
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
日ノ下 文彦 国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授 (90260132)
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研究分担者 |
橋本 尚詞 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授
伊藤 雅彦 国際医療福祉大学, 保健学部, 助教授
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キーワード | IgA腎症 / nivalenol / 腸管内注入 / PAS染色 / goblet cell / IgA1抗体 / 小腸壁 / ムチン |
研究概要 |
我々はmycotoxinの一種であるnivalenol(NIV)を用いたIgA腎症モデルを確立し、粘膜組織での免疫異常がIgA腎症の発病に関わっていることを検討してきた.本研究では、経口的投与されたNIVが影響を及ぼしやすい腸管の病理組織学的変化に焦点を絞り、in vivoでNIVを腸管内に直接注入するという独創的手法でIgA腎症のprimary histopathological changeを検討することにした. (1)クロロホルム麻酔下にマウスを開腹し腸管に薬物を注入する手技の確立を試み、経胃的に十二指腸内に溶媒を注入し24時間後までマウスを生存させることに成功した.(2)上記手技によりNIV1mg(50mg/kg wt)を溶媒に溶かしマウスの十二指腸に注入した.24時間後、屠殺して得た小腸近位部、中位部、遠位部の病理組織学標本を丹念に観察したところ、NIVが注入されたマウスでは近位部に壊死性変化が認められたほか、本来、腸壁内に存在しPAS染色で陽性に染まるgoblet cell(GC)が注入部から離れた遠位部においても減少していることが確認された.腸の垂直断面組織像を解析し単位面積当りのGCを数えたところコントロールの1,022±307/mm^2に比し実験群では489±271/mm^2と有意な滅少を認めた.GC内にあるムチンがPASに染まることから、NIV注入によりGCが消失したのか、ムチンが放出されただけかは今後の検討課題である.GC内ムチンはヒトのIgA1分子ヒンジ部に結合している糖鎖に類似しており、マウスのNIV注入モデルで今回確認された異常と以前から指摘されてきたIgA腎症患者血清中のIgA分子異常との関連が注目される.(3)上記成果((2))より、IgA腎症患者リンパ球のIgA抗体構造変化(アミノ酸残基配列の変異など)にも興味を抱いており、現在、末梢血からsurface IgA陽性B細胞を分離する手法の確立を急いでいる.
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