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1999 年度 実績報告書

転写因子NF-kB活性化機構の解明と活性化制御による腎疾患治療法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 11671061
研究機関川崎医科大学

研究代表者

柏原 直樹  川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)

研究分担者 佐々木 環  川崎医科大学, 医学部, 講師 (30187124)
キーワードNF-kB / 転写因子 / NF-kB
研究概要

転写因子NF-kB活性化の糸球体腎炎の病態形成上の意義の解明とNF-kB活性化制御による糸球体腎炎治療法の構築を目的として以下の研究を行った。
まず、活性化NF-kBに対する抗体を用いた免疫染色により、ヒト糸球体腎炎におけるNF-kB活性化の状態を検討した。IgA腎症等の増殖性腎炎症例において糸球体における活性化NF-kBの存在を認めた。またThy1腎炎モデルを使用して、腎炎糸球体からの核抽出物を用いてEMSA法により、糸球体におけるNF-kB活性化動態を検討したところ、増殖病変の極期であるday7をピークとしてNF-kB活性化を認めた。
NF-kB活性化を抑制する方法として、glucocorticoid(GC)及び抗酸化薬PDTCを利用し、NF-kB活性化制御による糸球体腎炎治療法の可能性を検討した。GCはIkBaの産生亢進等を介してNF-kB活性化を抑制しうることが報告されている。また活性酸素種がNF-kB活性化の細胞内シグナル伝達系のひとつであり、PDTCがNF-kB活性化を抑制しうることも報告されている。両薬剤をThy1腎炎day3より投与した所、蛋白尿/血尿の尿所見の有意な改善効果を認めた、腎組織においても糸球体内の増殖病変・炎症細胞浸潤が有意に改善されていた。NF-kBにより遺伝子発現が抑制されているTNF-a、MCP-1等の遺伝子発現が抑制されていた。分離糸球体からの核抽出物を用いたEMSA法による解析では、両薬剤による糸球体内NF-kB活性化の抑制効果を認めた。
転写因子NF-kBは炎症性cytokine,chemokine,接着因子等の炎症の病態形成に必須の遺伝子発現を制御することにより、糸球体腎炎においても病態形成に中心的な役割を果たしていることが判明した。転写因子NF-kBの活性制御による腎炎治療戦略の有効性が示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 柏原直樹: "Mechanisms for induction of apoptosis and glomerular disease"Nephrol Dial Transplant. 14. 52-54 (1999)

  • [文献書誌] 柏原直樹: "糸球体腎炎におけるNF-kB活性化の制御"医学のあゆみ. 190. 90-94 (1999)

  • [文献書誌] 前島洋平: "分子生物学的手法を用いた治療の可能性"腎と透析. 46. 101-106 (1999)

  • [文献書誌] 槇野博史: "腎疾患の遺伝子治療最近の進歩から"Medical Practice. 16. 101-103 (1999)

  • [文献書誌] 柏原直樹: "進行性腎障害の分子機序と治療戦略"川崎医学会誌. 24. 119 (1999)

  • [文献書誌] 柏原直樹: "糸球体硬化とアポトーシス"興和医報. 42. 19-23 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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