研究概要 |
25位水酸化ビタミンD-1α位水酸化酵素遺伝子がクローニングされ、発現レベルの検討が可能になった。マウス胎仔腎器官培養系を用いて、ネフロンの形成に伴う1α位水酸化酵素遺伝子の発現を検討した。胎齢11.5〜16.5日のマウス胎仔より摘出した腎臓をculture insertにのせ、15%FCSを含むDMEM中で培養を行った。48時間ごとに培養液を交換し、1週間以上培養可能でネフロン形成が続行されることを確認した。無刺激あるいはforskolinを添加した培養腎よりtotal RNAを抽出し、ビタミンD受容体(VDR)、1α位水酸化酵素の発現をRT-PCRにより検討した。1α位水酸化酵素遺伝子の蛋白コード領域のアンチセンスプローブをDIG(digoxigenin)ラベルし、whole mount in situ hybridizationを行った。14.5日齢の胎仔腎を用いた検討では、1α位水酸化酵素の発現は、検討した10^<-6>M-10^<-4>M forskolin添加、添加後3時間-24時間の範囲内で用量依存的、時間依存的に誘導された。1α位水酸化酵素の発現時期としては、胎齢13.5日以降の腎において、無刺激条件下での発現とforskolinによる発現誘導が認められた。in situ hybridization法による検討では、1α位水酸化酵素遺伝子の発現はforskolin添加時に腎内側部を中心とした尿細管上皮において認められた。VDRについては、胎齢13.5日より発現がみられ、10^<-8>M1,25(OH)_2D_3添加により発現が増強された。1α位水酸化酵素は、ビタミンD代謝物の測定より推定されていた時期より早期である腎器官形成の初期より、尿細管上皮に限局して発現することが明らかとなった。
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