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2000 年度 実績報告書

胎児期に発症する脳室周囲白質軟化症の発生メカニズムの解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11671075
研究機関順天堂大学

研究代表者

吉田 幸洋  順天堂大学, 医学部, 助教授 (90166950)

研究分担者 仁科 秀則  順天堂大学, 医学部, 講師 (70251270)
新島 新一  順天堂大学, 医学部, 助教授 (20180557)
中村 靖  順天堂大学, 医学部, 講師 (70207926)
キーワード脳室周囲白質軟化症 / 脳性マヒ / ECMO / 実験周産期学 / variable deceleration
研究概要

出生前に発症する脳室周囲白質軟化症(PVL)の発生メカニズムの詳細は不明である。本研究では、出生前に発症するPVLのrisk factorの一つとされる変動一過性除脈の発生メカニズムに着目し、臍帯圧迫の初期の段階に認められる臍帯静脈からの血液還流量の減少と血圧低下がPVLの発生原因となるのではないかという仮説を設け、これを検証すべく子宮外保育中のヤギ胎仔を用いて実験をおこなった。本年度は子宮外保育中のヤギ胎仔5頭(平均胎齢123.8日)を用い、以下の負荷実験を行った。すなわち、臍帯静脈に送血される体外循環回路を15秒間にわたり完全閉塞の後5分間解放し、これを1回の負荷として計6回繰り返すことによって胎仔に虚血・再還流負荷を加えた。さらに子宮外保育を4日間継続した後、胎仔脳組織を摘出し病理学的検査に供した。臍帯静脈回路の完全閉塞によって、胎仔の心拍数、平均血圧、総頸動脈血流量は5例すべてにおいて減少した。血液ガス分析では、Base Excess値の軽度低下と乳酸値の軽度上昇を認めたが、pH、pCO2,pO2は負荷実験前後で変化がなく、アチドーシスを呈した例はなかった。病理学的検索では5例中3例のヤギ胎仔の側脳室周囲深部白質に凝固壊死巣を認めた。凝固壊死はPVLの初期病変であり、臍帯静脈の圧迫と解除による脳の虚血・再還流負荷は、胎児期におけるPVL発生の重要な要因である可能性が示された。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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