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1999 年度 実績報告書

核受容体PPAR-γによる脈管作動性ホルモン受容体遺伝子転写調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11671079
研究機関東北大学

研究代表者

菅原 明  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90270834)

研究分担者 山岸 俊夫  東北大学, 医学部・附属病院, 助手
竹内 和久  東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (40260426)
伊藤 貞嘉  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40271613)
キーワードPPAR-γ / トログリタゾン / プロスタグランジン / アンジオテンシン
研究概要

血管系において脈管作動性ホルモンであるアンジオテンシン(A)IIは、タイプ1受容体(AT1R)を介して血管平滑筋細胞(VSMC)の収縮および細胞肥大を引き起こし、高血圧や動脈硬化の進展に関与していることが知られている。近年、15-deoxy-Δ^<12,14>-PGJ_2やインスリン抵抗性改善剤であるトログリタゾンが、核受容体であるPPAR一γをリガンドとして活性化することが知られてきている。更に、活性化PPAR-γはインスリン抵抗性の改善のみならず、活性化マクロファージを抑制することにより動脈硬化の進展を阻止する可能性を有することがごく最近になって報告された。本研究では、PPAR-γリガンドがVSMCにおいて、AIIによる細胞増殖やAT1Rの遺伝子転写調節にどのような影響を及ぼすかを検討した。VSMCでのAIIによるDNA合成の増加は、15dPGJ_2やトログリタゾンにて抑制された。VSMC内在性のAT1RmRNAの発現は15dPGJ_2により約50%迄減少した。AT1R遺伝子5'-FL(2-kb)キメラ発現ベクターをVSMCにトランスフェクションしたところ、15dPGJ_2およびトログリタゾンは濃度依存的にAT1R遺伝子転写を抑制した。この転写抑制はPPAR一γの過剰発現により更に増強したが、RXRの過剰発現にては影響を受けなかった。ATlR遺伝子5'―FLの種々のdeletion mutants(〜60bp)を用いた際も、15dPGJ_2による転写抑制が認められた。この60bpをプローブとしてゲルシフトアッセイを行ったが、PPAR一γ/RXRとDNAの間には結合は認められなかった。また、VSMC核タンパク中にこの60bpに結合するタンパクの存在が認められたが、cold competitionからPPAR一γであることは否定された。Co-activatorであるCBPの過剰発現により、15dPGJ_2による転写抑制の部分的な解除が認められた。PPAR一γリガンドが、PPAR-γの活性化を介してAT1R遺伝子の転写を抑制することが初めて明らかとされた。以上の結果から、活性化PPAR一γはAT1Rの発現を抑制することによりAIIによる細胞増殖を抑制し、高血圧や動脈硬化の進展抑制に関与している可能性が推定された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sugawara A.et al: "Negative regulation of rat thromboxane receptor gene by 15-deoxy-Δ^<12,14>-PGJ_2 and troglitazone by activating PPAR-γin vascular smooth muscle cells"J. Am. Soc. Nephrol.. 9. 358A (1998)

  • [文献書誌] Sugawara A.et al: "Negative regulation of angiotensin II type 1 receptor (AT1R) gene expression by peroxisome proliferator-activated receptor (PPAR)-γin vascular smooth muscle cells"Hypertension. 34. p129 (1999)

  • [文献書誌] 菅原 明,他: "15-deoxy-Δ^<12,14>プロスタグランジンJ_2およびトログリタゾンによるトロンボキサン受容体遺伝子の負の転写調節。"血圧. 6. 213-215 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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