研究課題/領域番号 |
11671090
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
森谷 眞紀 徳島大学, 医学部, 助手 (50301312)
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研究分担者 |
山岡 孝 徳島大学, 医学部, 助手 (40263826)
吉本 勝彦 徳島大学, 医学部, 客員助教授 (90201863)
板倉 光夫 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (60134227)
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キーワード | 活性型TGF-β1 / NOD-RGP-TGF-β1 / NODマウス / グルカゴンプロモーター / 自己免疫抑制 / I型糖尿病 / 移植免疫 / 膵島細胞 |
研究概要 |
本申請では、臓器特異的自己免疫疾患の一つである1型糖尿病の治療に直結する可能性があり、「自己免疫を抑制することを我々がトランスジェニックマウス(Tg:NOD-RGP-TGF-β1)で証明したTGF-β1遺伝子による膵β細胞破壊の予防機構を解明」し、さらに「自己免疫学的破壊に抵抗性を示す膵島の構築とその移植」に基く1型糖尿病の遺伝子治療法の基礎を確立するために、Tgを用いて種々の免疫学的実験を試み、現在までに以下の知見を得た。 1)NOD-RGP-TGF-β1(hemi)の交配により、Southern法にてコピー数を確認したNOD-RGP-TGF-β1(homo)を作成し、TGF-β1のシグナルが増強した場合の膵β細胞に及ぼす影響を検討した結果、糖尿病の発症率にはhemiマウスと差は認められなかったが、糖負荷後の血糖値に明らかな耐糖能異常が認められた。また、血清インスリン値の低下、および膵β細胞の形態学的な異常を認め、胎生期から持続したTGF-β1のシグナルの増加が、膵β細胞の分化に重要な作用をもつことを確認した。 2)「糖尿病未発症NODマウス」または「糖尿病発症NODマウス」の片側の腎皮膜下5-7週齢のNOD-RGP-TGF-β1の膵島細胞を移植し、移植膵島細胞の免疫学的破壊の防止にTGF-β1遺伝子を用いることができるかどうかを検討中である。現在までに、膵島細胞の単離法、腎皮膜への移植手技は完全に確立できたので、TGF-β1遺伝子を発現するTgの膵島細胞をNODマウスまたは、他種マウスに移植した場合の、リンパ球による免疫学的馳破壊に対する抵抗性を検討中である。
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