研究課題/領域番号 |
11671111
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
藤井 秀比古 岐阜大学, 医学部, 助手 (50301213)
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研究分担者 |
和田 久泰 岐阜大学, 医学部, 助手 (10283300)
斉藤 邦明 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (80262765)
清島 満 岐阜大学, 医学部, 教授 (10171315)
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キーワード | 動脈硬化 / サイトカイン / ノックアウトマウス / TNF-α |
研究概要 |
【目的】TNFα遺伝子欠損マウス(TNFα0)と動脈硬化のモデル動物として利用されているアポ蛋白E遺伝子欠損マウス(apoE0)を交配させることによって樹立したダブルノックアウトマウス(TNFα0/apoE0)を用いて、動脈硬化におけるTNF-αの役割を直接的に検討した。【方法】C57BL/6J由来のApoE0とTNFα0の交配させ、出生したマウスのtail veinより採取した血液よりDNAを抽出し、それぞれの特異的primerを用いてスクリーニングを行い、TNFα0/apoE0を樹立した。次にTNFα0/apoE0およびApoE0に対して、普通投与の上、12週間後に血清中の総コレステロール(TC)、LDL-コレステロール、HDL-コレステロール、トリグリセライド(TG)を測定し両群を比較した。血清脂質測定は自動分析法、リポ蛋白プロフィールはファルマシア社製のカラムによるHPLC法により行った。さらに両群での動脈硬化病変を病理組織学的に比較検討した。【結果および考察】血清TCは、apoE0が467±20.6(S.E.M)mg/dl、TNFα0/apoE0は536.7±28.0mg/dl、血清TGはそれぞれ54.6±5.0mg/dl、47.9【plus-minus】4.4mg/dlであったが、いずれも有意差は認められなかった。リポ蛋白プロフィールは両群ともほぼ同様のパターンを示した。HE染色による動脈硬化病変の定量ではapoE0が7.0×10^5μm^2、TNFα0/apoE0は5.1×10^5μm^2は有意な差を認めた(p<0.001)。アポ蛋白E遺伝子欠損マウスにおける動脈硬化病変の進展においては、TNFαは動脈硬化促進的に働いている。
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