研究概要 |
本年度の研究実績:ブドウ糖認識機構、インスリン分泌機構の解析について 1.In vitro study:単離膵ラ氏島,MIN6細胞,AtT20HI-GLUT2-GK細胞をそれぞれマイクロカプセルに変1AtT20 cellsが十分増殖したら、細胞分画にて小胞体に富む画分を28細胞においては2相性の,AtT20HI-GLUT2-GK細胞においては第1相を欠いたインスリン分泌を約2分の時間遅れで認めた。インスリンの第1相分泌機序に関与すると考えられる細胞内因子として,細胞内[Ca2+]i動員に関連するフォスフォリパーゼC(PLC)の関与が示唆された。またAtT20HI-GLUT2-GK細胞に発現しているPLC型は膵ラ氏島と異なっていた。 2.In vivo study:単離膵ラ氏島を直径100〜200μmのマイクロカプセルに封入し,STZ糖尿病ラット腹腔内に2000〜3000個ずつ移植し,血糖,体重の変化について検討した。また,MIN6細胞及びAtT20HI-GLUT2-GK細胞についても,それぞれ直径100〜200μmのマイクロカプセルに封入し,これらをSTZ糖尿病ラット腹腔内に2000〜3000個ずつ移植し,単離膵ラ氏島を移植した際と同様の検討を行った。単離膵ラ氏島移植群では,移植後5日目頃より血糖値が低下し始め,10日目より30日以上に亘り血糖値は150mg/dl前後を維持している。0.5×106個のAtT20HI-GLUT2-GK細胞を移植したラットにおいては,移植後7日目頃より血糖値が低下し始めたものの,血糖値は300mg/dl前後と高値が持続している。これに対し,2×106個のAtT20HI-GLUT2-GK細胞を移植したラットにおいては,移植後7日目頃より血糖値が低下し始め,10日目より30日以上に亘り血糖値は150mg/dl前後を維持している。また,MIN6細胞移植群においては,移植後7日目より血糖値が低下し始め,17日目に低血糖により死亡した。
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