研究課題/領域番号 |
11671130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮村 信博 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (40274716)
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研究分担者 |
笹原 誉之 熊本大学, 医学部, 助手 (20304991)
城谷 哲也 熊本大学, 医学部, 講師 (30274715)
岸川 秀樹 熊本大学, 保健管理センター, 教授 (30161441)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 非膵島細胞 / GLUT2 / グルコキナーゼ / フォスフォリパーゼC / K^+ATP channel / 電位依存性Ca^<2+>チャネル / IP3受容体 |
研究概要 |
1.ブドウ糖認識機構、インスリン分泌機構の分子生物学的解析 ラット膵ラ氏島、及び膵β細胞株MIN6において、細胞内Ca^<2+>を動員するフォスフォリパーゼC(PLC)を阻害すると、孵置実験ではブドウ糖によるインスリン分泌が抑制されたが、灌流実験ではブドウ糖反応性インスリン分泌の第二相が抑制されていた。灌流実験において、ブドウ糖濃度低下に伴うインスリン分泌低下は、ラット膵ラ氏島では速やかだが、MIN6細胞、及びヒトインスリン遺伝子・グルコーストランスポータ2(GLUT2)遺伝子・グルコキナーゼ(GK)遺伝子発現細胞(AtT20HI-GLUT2-GK)では緩やかであった。これらの細胞では血糖降下時のインスリン分泌抑制機構が発達していないものと考えられた。 2.非膵島細胞へのブドウ糖認識機構、インスリン分泌機構の再構築 PLCの3つのアイソフォーム(PLCβ、PLCγ、PLCδ)の発現を、ラット膵ラ氏島、MIN6細胞、及びAtT20HI-GLUT2-GK細胞において検討した結果、ラ氏島、MIN6細胞ではすべてのアイソフォームが発現していたが、AtT20HI-GLUT2-GK細胞にはPLCδの発現が認められなかった。また、AtT20HI-GLUT2-GK細胞では、PLCにより産成されたIP3の受容体のうち膵β細胞に発現するIII型(IP3RIII)の発現も認められなかった。従って、PLCδ、IP3RIIIの遺伝子導入が生理的インスリン分泌機構の再構築に必要である可能性が示唆された。AtT20HI-GLUT2-GK細胞において、ATP感受性K^+チャネル(K^+ATP channel)の抑制剤及び電位依存性Ca^<2+>チャネル(VDCC)の活性化は、ブドウ糖反応性インスリン分泌機構を惹起し、逆にK^+ATP channel活性化及びVDCC阻害剤はインスリン分泌を抑制した。従ってK^+ATP channel、VDCCが本細胞に発現しており、膵β細胞同様に機能することが判明した。
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