研究課題/領域番号 |
11671132
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 忍 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (80244424)
|
研究分担者 |
関原 久彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80126094)
伊藤 隆明 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (70168392)
野口 芳一 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50180724)
|
キーワード | インスリン抵抗性 / 脂肪細胞 / 細胞分化 / 細胞増殖 / 糖輸送担体 / GLUT1 / PPAR / アポトーシス |
研究概要 |
インスリンの標的臓器である脂肪細胞は未分化脂肪細胞が増殖し、分化誘導され成熟脂肪細胞となる。しかし、肥満などの病態では過剰に脂肪滴の増加した大型の脂肪細胞の比率が増加する。本研究では分化誘導因子の一つであるPPARγのノックアウトマウスを作成した。ホモ変異マウスでは胎生期死亡であるが、ヘテロ変異マウスは外表奇形なく出生する。このマウスに高脂肪食負荷すると野生型マウスに比して肥満が抑制され、大型の脂肪細胞が減少していた(Molecular Cell 4:597,1999)。脂肪細胞への分化能を有する、3T3-L1細胞のエネルギーの取り込みに必須の糖輸送担体は未分化段階ではGLUT1であるが、分化とともにGLUT4が主要なisoformとなる。腫瘍細胞ではGLUT1の発現を抑制すると細胞増殖が抑制されることを示した(Cancer letter,in press)。3T3-L1細胞にGLUT1anti-senseを導入したところ、細胞増殖が抑制されたが、insulin/DEX/IBMXの三者、troglitazoneのいずれ刺激でも脂肪細胞へ分化誘導された。GLUT1の発現を抑制した3T3-L1脂肪細胞ではインスリン非添加状態の糖輸送活性は低下傾向であり、最大インスリン刺激による活性化は野生型細胞と有意差を認めなかった。来年度はさらに比較的大型に分化しインスリン抵抗性を有する3T3-L1-INR脂肪細胞の機能解析をすすめ、糖輸送担体と脂肪細胞の分化増殖に関し、転写調節因子を含め詳細な検討を加える。
|