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2000 年度 実績報告書

インスリン抵抗性の病態におけるインスリン標的細胞の分化増殖制御機構(糖輸送の発現調節と動態が細胞抑制プログラムにどう関わるか)

研究課題

研究課題/領域番号 11671132
研究機関横浜市立大学

研究代表者

佐藤 忍  横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (80244424)

研究分担者 関原 久彦  横浜市立大学, 医学部, 教授 (80126094)
伊藤 隆明  横浜市立大学, 医学部, 助教授 (70168392)
キーワードインスリン抵抗性 / 細胞分化増殖 / アポトーシス / 膵β細胞 / IRS / GLUT
研究概要

本研究ではインスリン抵抗性発症機構の解明ため、インスリン標的細胞の分化増殖に関して検討した。インスリン情報伝達の律速段階分子のノックアウトマウスや欠損細胞株を作成し以下の成果を得た。ヒトインスリン受容体強制発現細胞株(hIR)にinsulin receptor substrate(IRS)-1、および3を強制発現させた細胞株を樹立したところ、IRS-3発現株は他の2種に比較して著明な細胞増殖の抑制が認められた。一方、血清除去、スタウロスポリン存在下でインスリンによるアポトーシスを検討したところ、hIR株ではインスリンの用量依存的にアポトーシスが抑制され、hIR/IRS1、hIR/IRS3ともインスリンのアポトーシス抑制作用が増強していた。NIHのDr.Cushmanとの共同研究によりインスリン標的脂肪であるインスリン抵抗性3T3-L1-INRにHA-tagGLUT4遺伝子を導入し分化誘導しさらにIRS-1,3を強制発現させ、共焦点レーザー顕微鏡を用いてインスリン刺激によるHA-tagGLUT4のtranslocationを検討した。IRS-1を強制発現させるとインスリン抵抗性は改善したが、IRS-3を強制発現させた系ではインスリン非添加状態ですでにHA-tagGLUT4は細胞膜上にありインスリン抵抗性は改善しなかった。
最近、インスリン分泌細胞である膵β細胞もインスリン標的細胞と考えられ、その情報伝達が注目されている。糖刺激に対してGLUT2が細胞内への糖取り込みに主要な役割を果たすが、IRS-1欠損マウスではGLUT2の発現が低下していた。また、電子顕微鏡的検討では成熟顆粒の減少と粗面小胞体が増加していた。このことはIRS-1欠損した状態ではインスリン抵抗性の病態ではインスリン合成が亢進しているのに加え、細胞内での成熟顆粒の維持にIRS-1が関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Satoshi Ito: "Human rhabdomyosarcoma cells retain insulin-regulated glucose transport activity through glucose transporter 1."Arch Biochem Biophys. 373・1. 72-82 (2000)

  • [文献書誌] Yoshikazu Noguchi: "Spression of facilitative glucose transporter 1 mRNA in colon cancer was not regulated by k-ras."Cancer Letter. 154・2. 137-142 (2000)

  • [文献書誌] Naoto Kubota: "Disruption if insulin receptor substrate 2 causes type 2 diabetes because of liver insulin resistance and lackof compensatory β-cell hyperplasia"Diabetes. 49・11. 1880-1889 (2000)

  • [文献書誌] Kazutaka Aoki: "Dehydroepiandrosterone supresses elevated hepatic glucose-6-phosphatase mRNA level in C57BL/KsJ-db/db mice"Endocrine J. 47・6. 799-804 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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