研究概要 |
平成11年度まで、我々はヒトPPARαおよびγのそれぞれのDNA結合領域、リガンド結合領域を含む全配列の遺伝子を、哺乳類細胞遺伝子導入用のベクターおよびクローニングベクターへの挿入に成功している。さらに、これらのベクターを様々な細胞に導入し、その遺伝子レベルおよび蛋白レベルで過剰に発現していることを確認し(井上郁夫:Therapeutic Research 21,2000(in press))、我々はPPARαおよびγがカタラゼおよびCu,Zn-SODなどの酸化ストレスに関連する酵素の発現を調節していることを明らかとした(Inoue I,Goto S,Noji S,et al:Metabolism(revised),Inoue I,Goto S,Mizotani K et al:Life Science,2000(in Press))。さらに、我々はヒトPPARαおよびγのそれぞれの蛋白をGSTとのフージョン蛋白として過剰に発現させることで、最近大量入手に成功している。 平成12年度は、PPARαおよびγのそれぞれの機能を明かにするため、PPARαおよびγのそれぞれのリガンドの存在下において、ヒトPPARαおよびγのそれぞれの蛋白とプロモター領域を多量に含んだヒトのCpG island libraryと反応させ、それぞれのDNA結合領域と結合する遺伝子を究明し、酸化ストレスとの関連性について考察する予定としている。
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