研究概要 |
本研究の目的は、血管内皮細胞および中腹平滑筋細胞を初代培養し、Transfilter co-culture systemで共培養し、Prostaglandin E1(PGE1)、エストロゲン(Estradiol)が中腹平滑筋細胞に作用し中腹平滑筋細胞からVEGF,basic FGFなどの血管内皮細胞増殖因子を分泌させることにより血管内皮細胞増殖が起きるのか、あるいは別のメカニズムが関与しているのか、血管内皮細胞増殖に関する血管内皮細胞-中腹平滑筋細胞間相互のクロストークを明かにすることであり、科学研究費交付期間内に、1)PGE1,Estradiolには直接的血管内皮細胞増殖作用があるか、2)PEG1,Estradiolには中腹平滑筋細胞を介した血管内皮細胞増殖作用があるか、3)PGE1,Estradiol刺激で中腹平滑筋細胞が分泌する血管内皮細胞増殖因子は何であるかを明かにし、4)中腹平滑筋細胞を介した血管内皮細胞増殖作用を有する薬物、ホルモンのスクリーニングを行う予定である。 平成11年度の研究成果は以下の通りである。1)イヌ頚静脈の血管内皮細胞、中腹平滑筋細胞の初代培養法をを確立した。2)PGE1には直接的血管内皮細胞増殖作用がないことを明らかにした。3)Lipo-PGE1は血管内皮細胞にはほとんど取り込まれず、中腹平滑筋細胞には濃度依存的に取り込まれることをフローサイトメリーで明らかにした。4)Transfilter co-culture systemで血管内皮細胞と中腹平滑筋細胞を共培養すると血管内皮細胞増殖が促進され、中腹平滑筋細胞はなんらかの血管内皮細胞増殖因子を分泌している可能性を示した。
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