研究課題/領域番号 |
11671152
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長田 卓也 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90272559)
|
研究分担者 |
北山 大二 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20251308)
高見沢 勝 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40216784)
柴田 洋一 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30010474)
津野 ネルソン 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50282637)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
キーワード | 樹状細胞 / 免疫療法 / 細胞障害性Tリンパ球 / 大腸癌 / RNA / 腫瘍抗原 |
研究概要 |
我々は現在までtumorlysateを用いた樹状細胞の抗原感作を行いその有効性を研究してきたが、臨床応用を考慮すると実際の治療適応患者では腫瘍が量的に十分確保できない場合も多い。そこでこの欠点を補う方法として腫瘍よりDNAないしRNAを抽出して樹状細胞に導入・抗原提示をはかる方法が考えられる。 今回の検討でヒト大腸癌細胞株HT-29、SW480、Colo201より抽出したmRNAをヒト樹状細胞に導入し、in vitroにてTリンパ球と共培養することによって細胞障害性Tリンパ球を樹立することができた。このCTLはRNA抽出の元になった細胞株だけを、すなわち腫瘍特異的な細胞障害性を有することが示された。またLiposomeを用いた場合と用いなかった場合とでCTLの誘導効率を比較したところ若干Liposomeを用いた方が効率が良いように評価されたが有意差は認められなかった。ヒト外科切除標本からのRNA回収を検討したが、予測された通り標本の固定状況(固定まで要した時間、固定液、固定後の保存期間)に収量は大きく左右され、RNAも全体的に断片化していた。このため当方法にて切除後固定標本より得たRNAを樹状細胞に導入することは手技的にも困難と思われた。これに対し、凍結標本より得たRNAは収量も多く、断片化も少ないため、本法に用いる材料としては適していると考えられた。今回の検討から、外科切除標本などの大きな組織からのみならず、バイオプシー片などの小さな標本からもRNAを抽出することにより、患者の腫瘍に特異的な腫瘍抗原を提示した樹状細胞ワクチンが作成しうることが示され、樹状細胞療法のさらなる適応拡大を示唆するものと考えられた。
|