• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

異種膵島移植における免疫寛容導入-HVJリポソーム法によるbcl-2/Fas-L移入及び多剤免疫抑制療法によるcombination therapy-

研究課題

研究課題/領域番号 11671161
研究機関大阪大学

研究代表者

中田 精三  大阪大学, 医学部・附属病院, 助教授 (50116068)

研究分担者 清水 重臣  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70271020)
伊藤 壽記  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20231152)
キーワード膵・膵島移植 / アデノウイルスベクター / HVJリポソーム / CTLA4-Ig / Fas Ligand / インスリン依存型糖尿病 / BBラット / NKT細胞
研究概要

T細胞にアポトーシスを誘導するFas ligand遺伝子や、Co-stimulatory moleculeのうちの1つでT細胞の活性化を抑制するCTLA4-Ig遺伝子を、膵島へ導入することにより拒絶反応を抑制する目的で膵島移植実験を施行した。膵島への遺伝子導入法の検討ではHVJリポソーム法では膵島へ遺伝子を導入することは困難であった。一方、アデノウイルスベクターでは膵島へ高率に遺伝子導入が可能であった。CTLA4-Igを発現する組み換えアデノウイルスAd.CTLA4-Igを作成し、vitroで膵島へ感染させた。CTLA4-Ig proteinの発現は確認できたが、これを高血糖を誘導したLEWラットへ移植した系では十分な生着延長効果は得られなかった。Ad.CTLA4-Igを全身投与することによりレシピエントへ感染させた場合も、graft survivalは無処置群(5.7±0.5日)に比較し、10.0±2.4日と軽度の生着延長を認めたのみであった。しかしさらに周術期にFK506投与を併用することにより全例100日以上生着した。
Fas Ligandを膵島へ導入すると膵島のインスリン分泌能低下を認めた。またFas Ligandは好中球などの遊走作用を有し炎症作用を惹起することが最近報告されておりこれを膵島へ導入し移植することは適していないと判断した。
膵移植の対象となるIDDMを自然発症するBBラットを使い、全膵十二指腸移植モデルで自己免疫再発のメカニズムを解析し、RT6+キメラT細胞の中にNKT細胞が高率に含まれ、自己免疫応答を制御していることを示した。また一般に免疫寛容が得やすいとされる肝臓移植においてもNKT細胞に注目し、ラット肝移植の自然寛容系と拒絶系を用い、ドナー由来のNKT細胞が前者における自然寛容の誘導に関与することを示した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Ito T.Tori M.Uchikosi F. et al.: "Immunological characteristics of pancreas transplantation -Review & our experimental experience-"J.Hepato-Billiary-Pancretic Surg.. (in press). (2000)

  • [文献書誌] Tori M.Ito T. et al.: "Importance of donor-derived lymphocytes in the protection of pancreaticoduodenal or islet grafts from recurrent autoimmunity."Transplantation. 70(1). 32-38 (2000)

  • [文献書誌] Tori M.Kitagawa S.Ito T. et al.: "Initial T-cell activation required for transplant vasculopathy in retransplanted rat cardiac allografts."Transplantation. 70(1). 737-746 (2000)

  • [文献書誌] Yamabe K.Shimizu S.Ito T. et al.: "Cancer gene therapy using apoptosis-executing gene, caspase-3."Gene Therapy. 6. 1952-1959 (1999)

  • [文献書誌] Shimizu S.et al.: "Bcl-2 family of proteins target mitochondrial channel VDAC to regulate apoptogenic cytochrome c realease."Nature. 399. 483-487 (1999)

  • [文献書誌] Shimizu S. et al.: "BH4 domain of anti-apoptotic Bcl-2 family members closes VDAC, and inhibits apoptotic mitochondrial changes and cell death."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 97. 3100-3105 (2000)

  • [文献書誌] 伊藤壽記 他: "移植に必要な基礎知識 ラット・マウスのMHC"臓器移植実験マニュアル(秀潤社). 14-17 (1999)

  • [文献書誌] 中田精三 他: "心移植"新移植免疫学(中外医学社). 181-197 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi