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1999 年度 実績報告書

核内受容体融合遺伝子の導入による乳癌治療の新戦略

研究課題

研究課題/領域番号 11671168
研究機関九州大学

研究代表者

北村 薫  九州大学, 医学部, 助手 (70234276)

研究分担者 井上 博道  九州大学, 医学部, 医員
大野 真司  九州大学, 医学部, 助手 (50203881)
池田 陽一  九州大学, 医学部, 助手 (50311840)
キーワード乳癌 / 遺伝子導入 / アポトーシス / 薬剤耐性 / P glycoprotein(Pgp) / 補助療法
研究概要

乳癌における治療の第一選択は外科的切除であるが、それゆえ、腋窩郭清を含めた至適な切除範囲を正確に予測し、これを必要最小限に止めるとともに、多岐にわたる術後補助療法の治療効果を予知して、画一的な集学的治療を回避することが肝要である。本研究は、アポトーシスのシグナル伝達に関わるFasに着目し、Fas蛋白の膜貫通領域を含んだデスドメインとEstrogen Recepto(ER)のリガンド結合領域を融合させ、これを癌細胞に導入させることによって、エストロゲン依存性のアポトーシス誘導を試み、結果的に乳房切除範囲の縮小化を図るとともに、臨床例における遺伝子治療の可能性を追及することを目的とする。初年度においては、導入の可能な範囲やその効率予測を検討するために、臨床検体(切除標本)から得られる基礎データの集積に努めた。薬剤耐性を反映するP glycoprotein(Pgp)の発現と、新鮮切除標本を用いたin vitro感受性試験であるSDI testの相関および再発症例における補助療法の治療効果との相関を検討した。Pgpの発現と、SD活性や臨床病理学的因子との間に有意差は見られなかったが、Pgp(+)群のほうが(-)群に比して有意に再発率が高かった(22例、33.8%vs.8例、10.1%、p<0.001)。これは、Pgp(-)の症例では術後補助療法が奏効して再発を予防しえた可能性が示唆されるが、再発例30例の生存率においても、Pgp(-)群の生存率が有意に良好で、前述の可能性を支持する結果であった。したがってPgp(+)症例は、そのままでは補助療法が奏効しにくい可能性が高く、遺伝子導入を利用した治療によって得られるメリットが大きなサブグループであると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kaoru Kitamura: "Evaluation of surgical treatment for patients over 80 years of age with gastric cancer"Hepato-Gastroentelogy. 46. 2074-2080 (1999)

  • [文献書誌] Kaoru Kitamura: "Immunohistochemical status of the p53 protein and Ki-67 antigen using biopsied specimens can predict a sensitivity to neoadjuvant therapy in patients with esophageal"Hepato-Gastroentelogy. (In press).

  • [文献書誌] 北村 薫: "乳腺良性腫瘍に対する内視鏡下腫瘍摘出術"日本内視鏡外科学会誌. 4(5). 395-399 (1999)

  • [文献書誌] 北村 薫: "乳腺鏡視下手術の実際(分担執筆)"金原出版. (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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