研究概要 |
平成11年度はまだ実験の準備段階であり、以下のことを行った。 まず、乳癌組織をコラゲナーゼで処理し、ここから乳癌細胞と線維芽細胞を含む細胞浮遊液を培養系に移し、継代を重ねている段階である。細胞が混じたまま継代を重ねることにより、通常は乳癌細胞が淘汰され、線維芽細胞が優勢になってくる。この時点でクローニングを行えば容易に線維芽細胞をとることができる。後にこれを混合培養の間質細胞(線維芽細胞)として用いる。一方、乳癌細胞はヒト乳癌樹立株であるMCF-7,ZR75-1,BT20,FMU-KKをおこし、実験に必要な細胞数まで増やしている。HUVECは実験系の最後に加えるのでその時期に準備する。これらの準備ができた段階で混合培養による増殖の影響およびそこにホルモン療法がどのように影響するかを検討する。そのアッセイ系としてはコラーゲンゲルを用いたin gelで培養し、中間に細胞を含まないゲルを挟んで細胞浸潤の速度で判定する予定である。コラーゲンはゲル自体の強度(硬さ)がないと困難なのでcollagen gel type Iを用いることとした。
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