研究概要 |
各転写共役因子(SRC-1,TIF2,AIB1,p300/CBP,NCoR)のmRNA発現をRT-PCRによる半定量で評価中である。また、AIB1についてはDNA増幅についても検討した。また、乳癌細胞における各転写共役因子発現も検討中である。 1)正常乳腺組織、乳癌組織からのRNA抽出 当科で切除された乳癌組織、正常乳腺組織からGuanidium/cesium cloride超遠心法によりRNAを抽出する。現在RNAは約100例の蓄積がある。 2)乳癌細胞株における転写共役因子の関わり estrogen依存性・非依存性の主な乳癌培養細胞株(MCF-7,T-47DおよびBT-20,BT-474,MDA-MB231,など)にestrogen agonist,antagonistを作用させ,RNAを抽出し、各転写共役因子の発現と、それぞれの細胞のホルモン依存性増殖との関係が検討中である。 3)ERα陽性の乳癌におけるAIB1増幅の検討 AIB1遺伝子からSouthern blot用のprobeを作成した。乳癌臨床例では124例中明らかなSouthern blotによる遺伝子増幅が認められた症例は2例にすぎず、乳癌組織内のAIB1増幅は臨床的重要性は低いと思われた。 4)RT-RCR法、Northern blot法による各転写共役因子の定量的検討 各転写共役因子のcDNA sequenceよりPCRに適当なprimerを設定し、抽出したRNAを用いてRT-PCR法によりmRNA levelでの発現を検討する。各組織での各転写共役因子発現を定量化している。
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