研究概要 |
lodacyanine化合物よりMKT-077を選択し,in vitroにおけるの集積性およびミトコンドリア障害性の検討を行った. l.flow cytometryによる解析:アフリカミドリザル腎上皮細胞より得られた正常細胞CV-1とヒト大腸癌株CX-1を対象とし,両細胞株とMKT-077とを接触培養後,励気488nm,比色525nmにより細胞中のMKT-077濃度をflow cytometerにより測定した.腫瘍細胞CX-1においては高い取込みが認められたが,正常細胞CV-1における取込みは軽度であった. 2.細胞中のMKT-077濃度の経時的推移:このことをさらに明らかにするために,CV-1,CX-1細胞を対象とし,MKT-077と接触培養後,遠沈により細胞ペレットを採取し,エタノールで抽出後,細胞内のMKT-077の濃度をspectrophotometerにより測定した.CX-1細胞では経時的にMKT-077の高い取込みが認められたが,CV-1における取込みは軽微であった. 3.ミトコンドリア障害性の検討:SDラットを対象としてMKT-077投与後,肝・腎・心組織を採取し,組織をミンチ後ホモジナイズし,20%STE溶液により遠沈しミトコンドリア分画を採取した.ミトコンドリアにおける呼吸活性をClark oxygen electrodeを用いてpolarographyにより測定したところ,著明な呼吸抑制が観測された.
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