研究概要 |
抗CD4抗体がドナー抗原の経口投与により特異的免疫寛容の誘導を増強することが確認できた。ドナー抗原の投与後,長期に移植心を受け入れているレシピエントのT細胞,CD4T細胞及びCD8T細胞を無処置のマウスに移入し,その後,前回のドナーと同種の心臓を移植して,生着期間を観察した結果、CD4T細胞の移入でグラフトの生着期間は延長した。よって免疫寛容誘導の機序が,免疫抑制CD4T細胞の存在によることが判明した。 経口的に投与されたドナー脾細胞上のMHCがIndirect presentationにてT細胞に提示されることを確認するために,Direct presentationにてC57BL/10のMHC(H2b)を認識するT細胞を使用した。そのT細胞(2x10^6)を経口色素(CFSE)にてマークしたのちCBAマウスに移入した。CFSEは分裂後,娘細胞に均等に移動するため,蛍光強度の減衰が分裂状況を反映する.このモデルを用いることによりDirect presentationは関与していないことが観察できた。
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