1992年・1993年にオリンパスと開発した腹腔鏡の懸架固定器をべースに腹腔鏡保持アームの長さ・可動角度および手術台への固定位置などを平成11年度は検討した。 腹腔鏡下での胆嚢摘出術、ヘルニア修復術、胃切除術、結腸切除術などを対象に腹腔鏡の旋回角度、縦軸に沿った可動距離を測定した。腹腔鏡保持アームは6軸ですべての運動はカバーできることが分かった。現在アームの関節可動動力機構について試作段階で平成12年度に運動試験ができる予定である。 平成11年度での検討での問題点 1 アームと鉗子の干渉:術野の上をアームが横切るため広い範囲の剥離操作を必要とする大腸切除などでは術者および助手が持つ鉗子とアームがぶつかる難点が判明している。懸架装置を含め平成12年度で問題点の解決にあたりたい。 2 固定位置:胆嚢摘出術、ヘルニア修復術などのように術野が限られている手術はアームを大きく旋回させる必要が無いので問題にならなかったが、左半結腸切除や右半結腸切除などのように剥離範囲が上腹部から下腹部にまでわたるときはアームのカバーすべき範囲が大きくなる。したがって旋回角度も大きなものが必要となり、現在のアームでは固定位置を移動しないと視野が取れなくなってしまう欠点が見つかった。これも平成12年度で解決策を検討したい。
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