研究概要 |
平成11年度に腹腔鏡下胆嚢摘出術、鼠径ヘルニア修復術、胃切除術、結腸切除術などでロボットアームの長さ、可動角度、手術位置への固定位置を検討した。その結果,平成13年3月に試作したロボットアームの概要は下記のとおりである。手術台固定支柱111×102×705mm、支柱倒れ角は鉛直中立を基準として±30度である。アームは支柱の頭部に装着され関節を一つ有する。第1アームの長さは400mmで、回転角は支柱垂直方向を基準として±160度。第2アームの長さは300mm、回転角は第1アームと一直線を基準として±160度である。第2アーム先端のカメラ保持機構のx方向倒れ角は±135度、y方向倒れ角は±90度である。 可動範囲の狭い胆嚢摘出術,鼠径ヘルニア修復術など現在のアーム長と可動範囲でも十分であった。可動範囲の多くなる胃切除術、左・右半結腸切除術などではロボットアームの固定位置を術中に変更をするしかなかった。 ロボットアームの試作1号機は立松製作所とアスカ株式会社に製作を発注して行った 操作入力はテーブルスイッチ、フットスイッチで行う段階である。試作が遅れた理由は人体に応用できるロボットアームの製作経験のあるメーカーがなく、協力メーカーの決定が遅れたこともある。人体に応用する器械であることから駆動力量の安全性、内視鏡・鉗子との保持機構など検証すべき案件は多数残っている。 また概念設計と試作依頼機関選定に時間がかかり、試作機の製作が年度末になってしまい、臨床での検討がまったくできていない状態なのが残念である。
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