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1999 年度 実績報告書

細胞周期制御機構におけるG2/M調節因子発現の意義と癌化学療法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 11671198
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

武末 文男  福岡歯科大学, 歯学部外科学講座, 助手 (30299599)

研究分担者 長濱 俊一  福岡歯科大学, 歯学部外科学講座, 助手 (70279321)
犬塚 貞明  福岡歯科大学, 歯学部外科学講座, 講師 (40258596)
是永 大輔  福岡歯科大学, 歯学部外科学講座, 教授 (90170414)
安田 光宏  福岡歯科大学, 歯学部外科学講座, 助手 (90269043)
キーワード細胞周期 / Cyclin / リンパ節転移 / G2 / M checkpoint / 大腸癌 / 細胞増殖活性
研究概要

【はじめに】細胞周期の制御機構にcyclinは重要な役割を果たしており、制御機構の異常と癌化との関連が注目されている。しかしG2/M制御作用を持つcyclin B(C-B)の発現に関する報告は少ない。我々は大腸癌におけるC-Bの発現の臨床的意義について検討した。
【対象と方法】進行大腸癌(DukesB,C,D)の手術症例109例のパラフィン固定標本を用いて、C-B,Ki-67,PCNA,p53の各抗体による免疫染色を行った。C-B染色の判定は核、細胞質の何れかが染色されているものを陽性とし、Ki67,PCNA染色の評価にはCAS200を用い客観的に判定した。
【結果】C-Bの発現率は109例中62例(56.8%)であった。臨床病理学的因子との関連は年令、性別、組織型、肉眼型、深達度に関しては認められなかった。一方、進行度に関してはC-B陽性例でDukes B66%,C,D34%、陰性例では各々44%,55%,とDukes Bの症例が有意に多かった(p=0.025)。また、C-B陽性例のリンパ管侵襲(ly)陽性率は25.8%(16/62)であり、陰性例46.8%(22/47)に比して有意に少なかった(p=0.023)。同様に静脈侵襲(v)陽性率は21.0%(13/62)であり、陰性例46.8%(22/47)に比して有意に少なかった(p=0.0004)。さらにリンパ節転移陽性率についてもC-B陽性例では30.6%(19/62)と陰性例の51.1%(24/47)と比較して有意に少なかった(p=0.03)。しかしC-B陽性例と細胞増殖活性の指標であるKi-67、PCNAやp53との間に相関は認められなかった。単変量解析ではC-Bは年令、Dukes分類、ly、v、Ki-67とともにリンパ節転移に影響を及ぼす有意な因子であったが、Logistic判別分析による多変量解析では、lyのみが有意な関連因子と判された。予後との関連をCox解析により多変量解析を行ったがC-Bは有意な因子ではなかった。
【まとめ】G1サイクリンに対してG2/Mを制御するcyclin Bに関してはC-B高発現群にリンパ節転移が少ない傾向が認められた。以上よりC-Bの発現とリンパ節転移の間に何らかの関連性が示唆された。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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