研究課題/領域番号 |
11671204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
溝井 賢幸 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90271949)
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研究分担者 |
片寄 友 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20302151)
石井 誠一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60221066)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 消化器癌 / 大腸癌 / 血管内皮 / 血管内皮前駆細胞 / 血管新生 |
研究概要 |
1.ヒト末梢血中からの血管内皮前駆細胞(EPC)の単離 末梢血より単核細胞を分離し、抗CD34抗体と磁気ビーズを用いてCD34陽性単核細胞を分離した。この細胞を、フィブロネクチンをコーティングしたプレートと未コーティングのプレートにて培養した。培養液は、血管内皮増殖因子等を加えたものを用いた。培養48時間後には、フィブロネクチンコーティングのプレート上に紡錐型の接着性細胞が出現した。この細胞を、CD34陰性単核細胞と混合培養すると、分化増殖がさらに増強し、血管様構造や紡錐型細胞が放射状に遊走するコロニーなども認められた。この紡錐型細胞は、蛍光抗体法によるCD34の免疫染色でCD34陽性であることが確認された。また、血管内皮細胞でみられるアセチル化LDLの取り込みがあることも確認された。 2.in vivoでの検討 (1)免疫不全マウスの皮下に、ヒト大腸癌細胞株を2X10^6個注入し皮下移植モデルを作製した。ヒトEPCを蛍光色素BCECF-AMでラベルした後、移植後2週間後のマウスの尾静脈より注入した。注入1週間後、腫瘍部位を摘出し、凍結切片を作製し、蛍光顕微鏡にて観察した。しかしながら、腫瘍部には蛍光色素陽性の細胞は認められなかった。 (2)ヒトEPCをBCECF-AMでラベルした後蛍光顕微鏡で観察したところ、発光が確認された。ヒトEPCの量を増やし、再度腫瘍移植マウスに尾静注したが、やはり発光細胞の集積は認められなかった。凍結切片ではなく、生体蛍光顕微鏡を用いても観察したが、集積は認められなかった。別の癌細胞株でも試みたが、やはりEPCの集積は認められなかった。 以上の実験結果より、ヒト末梢血中からのEPCの単離・培養は可能であるが、免疫不全マウスの皮下移植モデルにおいては、EPCの集積性は認められず、EPCを癌の遺伝子治療に応用することは困難であると考えられた。
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