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2000 年度 実績報告書

大腸癌における消化管ホルモン受容体発現の検討

研究課題

研究課題/領域番号 11671211
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

吉永 圭吾  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80240745)

研究分担者 杉原 健一  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10171167)
キーワード大腸癌 / 受容体 / エンドセリン / エンドセリン受容体
研究概要

臨床検体を用いて核酸レベルでの消化管ホルモン受容体発現を検討している.ボンベシン受容体はその発現量がかなり低く未だ安定した測定系が確立されていないが,消化管ホルモン受容体と同様な7回膜貫通型構造をもつエンドセリン受容体およびそのリガンドであるエンドセリンについては測定系が確立された.大腸癌におけるエンドセリンー1(ET-1)及びエンドセリンAレセプター(ET_A-R)mRNA発現を定量的に測定し,両者と臨床病理学的因子との関連性を検討した.当科で切除された大腸癌79症例について,腫瘍組織79検体および同一症例の正常大腸粘膜79検体を対象とした.total RNAを抽出しrandom primerによってcDNAを合成し,リアルタイム定量的PCRを行いET-1 mRNAおよびET_A-R mRNAを定量した.腫瘍中のET-1およびETA-R発現量を正常組織のそれぞれの発現量で除したものをET-1 ratioおよびET_A-R ratioとし,ET-1 mRNAおよびET_A-R mRNA発現と臨床病理学的因子との関連性を検討した.大腸癌組織のET-1 ratioおよびET_A-R ratioは,年齢,性別,占拠部位,腫瘍径,組織型,深達度,リンパ節転移との間には関連性を認めなかった.追跡期間28ヶ月(中央値)で同時性・異時性含めた血行性転移を有する転移群20例では,ET_A-R ratioが5.5±1.3(mean±SE)で,非転移群59例の2.6±0.3に比べて有意に高かった.ET-1 ratioについては,転移群8.3±5.3,非転移群6.5±4.0で差を認めず,ET_A-R ratioが5以上の症例では,5未満の症例に比べて有意に血行性転移例が多かった.大腸癌の血行性転移には,エンドセリン系のET-1 mRNAの関与は乏しく,ET_A-R mRNAの発現が関与していることが示唆された.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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