研究概要 |
本研究は、より効果的な癌特異的免疫療法として、我々が胃癌の腫瘍退縮抗原として同定したHER-2/neu由来ペプチドを、抗原呈示細胞であるDendritic cell(DC)とともに移入することによる腫瘍ワクチン療法である。進行消化器癌患者を対象とし、HLA typeスクリーニングにて、HLA-A2陽性患者を選択し、さらに癌組織を免疫染色し、HER-2/neu overexpressionが認められた症例を本免疫療法の対象症例とし、2000年より現在までに9例に実施した。末梢血より単核球を分離し、plastic付着細胞をIL-4,GM-CSF存在下で、7日間培養しDC細胞を誘導。このDC(1×10^6)に我々が同定したHER-2/neu由来ペプチド(E75)をパルスして皮内投与にて患者に移入する。この移入を1回/2週繰り返し、計4回実施した。9例全例において、臨床上の安全性に問題はなく、副作用は認めなかった。ワクチン前には認められなかったペプチド特異的CTLがワクチン後に、9例中6例に認められ、DTH反応が9例中3例に認められた。臨床画像的に、PR1例、NC1例、PD7例であり、新規特異的免疫療法としての可能性が示唆された。
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