研究概要 |
1.Therapeutic geneを組み込んだ非増殖性のadeno-associated virus(AAV)ベクターと単純ヘルペスウイルス(HSV)変異株であるtumor selective-replication competent virus vector(hrR3,L1BR1)とのcombination therapyを施行,これによりAAVベクターの腫瘍局所での発現率が,AAVベクター単独での発現率より増強されることを確認した。 2.hrR3は単純ヘルペスウイルス(HSV)のICP6 geneを,L1BR1はHSVのUS3 geneをそれぞれinactivatedしたベクターであるが,更にparent virusへのreversionを防ぎ、安全性と腫瘍選択性の増強を目的として、同時に複数箇所のgene mutationを施した、新たなHSVベクターを開発中である。 3.実験モデル系を、T-cell系の免疫系統を持たないヌードマウスから,ハムスターに応用し、よりhumanに近い免疫体系において、syngeneicなハムスター膵癌の腹膜播種モデルを作製し,これに対して単純ヘルペスウイルス(HSV)変異株であるhrR3,L1BR1を腹腔内投与して腫瘍を選択性に抑制する遺伝子治療実験を施行、臨床応用への実用化に向けて検討中である。
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