研究課題/領域番号 |
11671230
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上坂 克彦 名古屋大学, 医学部, 助手 (20283434)
|
研究分担者 |
梛野 正人 名古屋大学, 医学部, 講師 (20237564)
神谷 順一 名古屋大学, 医学部, 講師 (70194975)
二村 雄次 名古屋大学, 医学部, 教授 (80126888)
小田 高司 名古屋大学, 医学部, 助手 (30311715)
湯浅 典博 名古屋大学, 医学部, 助手 (00303610)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
キーワード | 腸管うっ滞 / 腸内細菌 / 常在菌 / 炎症 / 接着分子 / ICAM-1 / 血管内皮 |
研究概要 |
研究1 無菌マウスを用い、腸内常在菌叢が接着分子の発現にどのような影響を与えるかを検討した。無菌マウスでのICAM-1の発現は消化管、肝、膵、骨格筋、皮膚において、コントロールマウスと比べ有意に低値で、コントロールマウスの便を無菌マウスに経口投与して腸内細菌叢を形成させると、コントロールマウスのレベルまで回復した。肺、心、脳でのICAM-1発現量は2群間でほぼ同程度であった。以上より、非侵襲下でも腸内常在細菌叢が上皮バリア越しに血管内皮上のICAM-1の発現に影響することが証明された。 研究2 常在菌叢が血管内皮上のICAM-1発現に影響をおよぼすメカニズムについて、種々のトランスジェニックマウス(CD11/CDl8,P-selectin,mast cell,リンパ球、各々の欠損または欠乏)を用いて検討した。コントロールマウスの盲腸では遠位結腸に比べICAM-1発現量は有意に高値を示したが、CD11/CD18欠損マウス、p-selectin欠損マウスでは有意に2臓器間の差が小さかった。このことより、何らかの血球成分が組織へ動員されることがICAM-1発現に関与することが示唆された。どの血球成分が関与しているのかは不明であり、今後の検討課題である。 研究3 虫垂/盲腸の存在と潰瘍性大腸炎の発症、進展との関連が注目されているが、そのメカニズムは不明であり、以下の検討を行った。コントロールマウスの盲腸におけるICAM-1発現量は、遠位結腸と比べ有意に高値であった。無菌マウスの盲腸でのICAM-1の発現は、遠位結腸における発現量とほぼ同程度であった。コントロールマウスの便を無菌マウスに2週間経口投与すると、盲腸でのICAM-1発現量は遠位結腸と比べ有意に高値となった。以上より、マウス盲腸における血管内皮ICAM-1の発現の亢進は、腸内常在細菌叢の量的変化と関連することが明らかとなった。
|