研究課題/領域番号 |
11671241
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
丹黒 章 山口大学, 医学部, 助教授 (10197593)
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研究分担者 |
吉野 茂文 山口大学, 医学部, 助手 (60294633)
硲 彰一 山口大学, 医学部, 助手 (50253159)
岡 正朗 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
飯塚 徳男 山口大学, 医学部, 寄附講座教員
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キーワード | 食道癌 / 制癌剤感受性 / nm23-H1 / CDDP |
研究概要 |
研究の目的 nm23-H1はATPのエネルギーを用いてNTPを合成する酵素(nucleoside diphosphate kinase A)をコードしており、その発現は癌転移と関連することが報告されてきたが、上記のごとくヌクレオシドの生合成に関わる普遍酵素であり、細胞内におけるその作用は多岐にわたることが推察される。最近、注目されるnm23-H1の作用の一つにシスプラチン(CDDP)感受性との関連が挙げられる。我々はnm23-H1の発現とEFP(etoposide,5FU,CDDP)療法後の食道癌患者の予後との関連、nm23-H1の発現低下によるCDDP抵抗性の獲得およびその作用機序を解明してきたが、今回、CDDPの抗腫瘍効果を増強するという観点から、nm23-H1をターゲットとした新しい治療法確立をめざした基礎的実験を行う。 本年度の研究実施計画 (1)γ-リノレン酸によるnm23-H1発現誘導とCDDP感受性: われわれは食道癌細胞6株4株において、直接細胞増殖抑制を示さない50μMの濃度でγ-リノレン酸がnm23-H1mRNAおよびタンパクの発現誘導を引き起こすことを確認している。また、現在、ヌードマウスにおいて、γ-リノレン酸リチウム塩を経口投与した場合、正常組織に比し、腫瘍により多くのγ-リノレン酸が集積することを確認している。この性質を利用して、食道癌細胞株を皮下移植したヌードマウスに対し、γ-リノレン酸リチウム塩を経口投与し、nm23-H1発現誘導の有無とCDDP感受性の増強効果を検討する(丹黒)。 (2)ベクターの作製 nm23-H1(sense)cDNAをアデノウイルスベクターに組み込み、in vitroにおける感染実験と安全性を確認する(丹黒)。
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