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1999 年度 実績報告書

細胞周期調節遺伝子発現の解析による食道癌の増殖制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11671252
研究機関九州大学

研究代表者

池田 陽一  九州大学, 医学部, 助手 (50311840)

研究分担者 北村 薫  九州大学, 医学部, 助手 (70234276)
大野 真司  九州大学, 医学部, 助手 (50203881)
キーワード食道扁平上皮癌 / CyclinE / 臨床病理学的因子 / PCNA / Cyclin D1
研究概要

各種悪性腫瘍においてG1サイクリンの過剰発現が腫瘍の悪性度と相関することが報告されているが、食道癌については包括的な検討はない。この研究はG1サイクリンが食道癌の悪性度の指標となりうるか否かを明らかにすることを目的とするものである。材料は術前無治療の食道扁平上皮癌111症例のパラフィン包埋切片を用いた。同一症例の連続切片を作製した後、抗ヒトCyclinE、D1抗体を用いて免疫染色を行った。また、細胞増殖活性化の指標として、抗PCNA抗体を用いた免疫染色を行った。結果は、Cyclin Eの発現が高い症例(36例;32.4%)は有意に深達度が深く(p<0.05)、Stageが進行しており(p<0.01)、予後不良であったが(p<0.05)、Cyclin D1過剰発現例(51例;45.9%)では,臨床病理学的因子、予後に相関は認められなかった。さらに、Cyclin Eは癌の最深部に発現が高い傾向があり、Cyclin Eの発現部位とPCNAの発現部位は一致し、さらにその発現量に相関関係を認めたが、Cyclin D1発現とPCNA発現に、発現部位、発現量とも相関は認めなかった。これらの結果から、Cyclin E過剰発現は食道癌細胞の増殖を活性化し、腫瘍を悪性進展へと導いている可能性が示唆され、さらには、食道癌において、Cyclin E過剰発現がその悪性度の指標となりうると考えられた。今後は、これらの分子機序に関して検討を進めていく予定である。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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