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2000 年度 実績報告書

ラット大量肝切除後肝不全の発症機序の検討

研究課題

研究課題/領域番号 11671261
研究機関横浜市立大学

研究代表者

渡會 伸治  横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10244477)

研究分担者 森脇 義弘  横浜市立大学, 医学部, 助手 (80301414)
嶋田 紘  横浜市立大学, 医学部, 教授 (90117747)
キーワードapoptosis / postoperative liver failure
研究概要

従来、大量肝切除後には末梢循環障害より肝細胞のネクローシスが生じ肝不全に至ると考えられてきたが、我々は主として肝細胞めアポトーシスが肝不全発症に関与してると報告してきた。今回は、肝不全発症の機序をcDNAマイクロアレイを用いて検討し、さらに遺伝子治療モデルを作製、アポトーシスの制御が肝不全の治療となるか検討した。【対象と方法】ラット95%肝切除モデル(致死的肝不全群)、90%肝切除モデル(再生群)を作成し、残肝を経時的に採取、RNAを抽出し、RIKEN mouse20K cDNA microarrayを用いて、mRNA発現を比較検討した。さらに、アポトーシス抑制遺伝子であるBCL-2をCre-loxP系アデノウイルスをベクターとして尾静脈より静注し肝細胞に導入後3日後に95%肝切除を行ない導入群、非導入群で、残肝の肝細胞のアポトーシスの比較および生存率の比較を行った。【結果】1)90%群では肝切除後24時間でcyclinE、cyclinGの高発現を認めた。増殖因子では、肝切除後1時間、3時間でHBEGFの高値を認めた。一方、95%群は90%群と比較しアポトーシス関連因子ではFas、caspase8の肝切除後1時間からの高発現を、細胞周期制御因子ではp21の肝切除後1時間からの高発現を認あた。2)BCL-2の導入についてベクター注入3日後の肝組織をみると、BCL-2が導入された肝細胞、コントロールとしてB-ガラクトシダーゼを導入した肝細胞とも、約35%前後の導入率であった。TUNEL染色では、肝細胞のapoptotic indexはBcl-2導入群では0で、有意にアポトーシスは抑制されていた。しかし,生存曲線では若干の延長のみであった。【結語】95%群では、p21の高発現による肝再生の遅延に加え、肝再生に向かうよりも早期に、Fasを介する系を中心とするapoptosisが起こり始め、肝不全に向かっていると考えられた。さらに、Bcl-2を遺伝子導入した効果としてアポトーシスの抑制を認めたが、肝不全の回避にはいたらなかった。過大肝切除後肝不全の改善にはアポトーシスの抑制のみならず、肝再生を促すさらなる要素の付加が必要と思われた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kamimukai N: "Expression of BCl-2 family reduces apoptotic hepatocytes after excessive hepatectomy"Eur Surg Res. (in press).

  • [文献書誌] 渡会伸治: "SIRSと臓器不全"現代医療. 32. 2181-2185 (2000)

  • [文献書誌] Hasegawa S: "Apoptosis of hepatocytes is a main course of including lethal hepatic failure after excessive hepatectomy in rats"Transplantation Proceeding. 31. 558-559 (1999)

  • [文献書誌] 渡会伸治: "多臓器不全"外科治療. 80. 1105-1108 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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