ポジトロンCTを用いた消化器癌肝転移の予知と早期診断法の開発に関する研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11671264
• 研究機関: 京都府立医科大学
• 研究代表者: 谷口 弘毅 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (20217136)
• キーワード: 肝転移 / ポジトロンCT / 予知 / 早期診断法

研究概要

消化器癌の予後を左右しているものは転移の有無であることは言うまでもない。とりわけ、転移性肝癌に対する戦略は重要な位置を占めている。各種画像診断機器の進歩により、かなり小さな肝腫瘍も検出されるようになってきたが、目に見える大きさとなってからの治療はその方法がかぎられている。微小転移巣のうちに検出できれば、血管新生阻害剤等による治療や、抗癌剤の投与でも完治が得られる可能性がある。転移巣の存在の有無を検出する方法として、本研究では転移巣が惹起する血管新生による肝内の動脈・門脈血流量のポジトロンCTを用いてごく初期の段階で検出しようとするものである。
今年度は
(1)前々年度に肝血流量測定を行った大腸癌患者で新たに肝転移を生じたものの肝血流測定として
(2)肝転移を生じた症例についてはポジトロンCTにより肝血流量を測定した。
(3)肝切除可能な患者については、肝切除時に得られた切除肝について抗VEGF抗体等の抗血管新生因子抗体を用いて免疫組織染色を行った。
(2)大腸癌肝転移患者の肝血流測定
(1)新たに発見された肝転移患者について癌部、非癌部血流量をポジトロンCTで測定した。
(2)肝切除可能な患者については、肝切除時に得られた切除肝について抗VEGF抗体等の抗血管新生因子抗体を用いて免疫組織染色を行った。

研究成果

• [文献書誌] H.Taniguchi, S.Kunishima, T.Koh, A.Oguro, H.Yamagishi: "Reproducibility of repeated human regional splenic blood flow measurements using [150] water and positron emission tomography"Nuclear Medicine Communications. 22・7. 755-757 (2001)
• [文献書誌] T.Obayashi, H.Taniguchi, T.Mugitani, T.Koh, K.Kitagawa: "Safety and utility of autologous blood transfusion for resection of metastatic liver tumor"Hepato-Gastroenterology. 48・39. 812-817 (2001)
• [文献書誌] S.Kunishima, H.Taniguchi, T.Koh, A.Yamaguchi: "F-18 fluorodeoxyglucose positron emission tomography in mesenterial Castleman's lymphoma"Clinical Nuclear Medicine. 26・9. 789-790 (2001)
• [文献書誌] 谷口 弘毅: "肝癌の診断と治療-最新の研究動向-VII.肝癌の治療.血管新生阻害剤(TNP-470:AGM-1470)"日本臨床. 59・増刊号6. 678-682 (2001)