胃癌患者の術前の胃酸分泌能、血清ガストリン値、TIGR(integrated gastrin response after test meal)、とサイトカインにより分泌刺激される急性相反応物質である血清IAP(immunosuppressive acidic protein)値の、血清SA(sialic acid)値の関係を示した。術前のガストリン値は胃酸分泌能、ペプシノゲン、特にペプシノゲン1と負の相関が認められた。一方、TIGR、IAP、SAとは正の相関が認められた。また、Helicobacter plyrori抗体価とは相関が認められていないことを確認している。臨床データの検討により、内因性ガストリン分泌がサイトカインにより分泌刺激される急性相反応物質である血清IAP値、血清SA)値と正の相関が認められたことは、胃癌の発生や増殖、悪性化に、促進または抑制に働いている可能性を示唆しているものと考えられた。
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