研究概要 |
ラット心筋芽細胞を24時間,anoxic chamberで培養し虚血再灌流モデルとした。虚血前に1時間37℃(N群 n=10)、42℃(H群 n=10)、4℃(C群 n=10)で培養し温度ストレスとした。虚血再灌流(+/-)の後、細胞内glutathione測定のためGreen-CMFDAを負荷した。併せて細胞活性、細胞内ROS、細胞内pHをcalcein-AM、H2DCF-DA、BCECF-AM負荷により測定した。また温度ストレス前にMn-SODのAntisense Oligoを加え、Mn-SOD発現効果を検討した。【結果】1、細胞内glutathioneは虚血再灌流後N群で前値の199+/-55%,H群211+/-62%,C群238+/-77%であった。2、細胞活性は虚血再灌流後、N群で前値の79+/-18%,H群95+/-13%,C群93+/-13%でありN群で低値を示した(p<0.05)。3、細胞内ROSは虚血再灌流後N群で前値の353+/-66%,H群382+/-168%,C群528+/-172%でありC群で高値を示した(p<0.05)。4、細胞内pHは虚血再灌流後N群で前値の69+/-19%,H群91+/-16%,C群92+/-17%でありN群で低値を示した(p<0.05)。Antisense実験:Mn-SOD Antisense Oligo非投与・投与別のcalcein AM蛍光強度虚血再灌流後/対照比は、N群では平均67%・58%、H群で平均85%・58%、C群で平均84%・59%でありAntisense Oligo投与により温度ストレス効果の有意な消失をみた(p<0.05)。以上より温度ストレスによる抗酸化物質のMn-SOD発現は虚血再灌流障害軽減に重要な役割を有していると考えられた。
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